平成22年度 離島の活力再生支援事業
島なび学生隊
~150 人の島から創造する日本と若者の未来~
【報告書】
平成23年3月
一般社団法人へきんこの会
目 次
第1章 事業の目的
1.口永良部島の概況 1
2.事業目的 2
3.事業内容 3
4.実施体制 4
5.事業経緯 5
6.事業趣旨 6
7.事業意義 7
第2章 島なび学生隊の組織化
1.学生の募集 8
2.学生の選考 9
3.島民との調整 11
第3章 夏合宿
1.船上会議 13
2.枕崎研修 16
3.鹿児島市内研修 18
4.島民との協働作業 22
5.ホームステイ 25
6.交流会 27
7.放牧勉強会 29
8.音楽祭 31
9.ワークショップ 34
10.島内成果報告 39
第4章 成果報告
1.ふるさと回帰フェア 45
2.近畿屋久島会定時総会 46
3.しまのがっこう 47
4.アイランダー2010 48
5.かごしま・よかとこよかもん市 49
6.鹿児島大学稲盛アカデミー講義 50
第5章 島なび応援隊
1.実施目的 51
2.実施経過 51
3.実施結果 52
第6章 次年度計画
1.実施目的 53
2.実施経過 53
3.実施結果 54
4.その他 57
第7章 総括 58
参考資料参1~36
第1章事業の目的
1.口永良部島の概況
口永良部島は鹿児島県の南方約130km、屋久島の沖合北西12km にあるひょうたん型をした周囲
49.67km、面積約38.04k ㎡と薩摩火山群島では最も大きな島であり、全島が霧島屋久国立公園に指
定されており、活火山や天然温泉などの観光資源が豊富にある島である。
一方で、昭和33 年から上屋久町に属していたが、平成19 年の合併で屋久島町となり、戦後2,000
人ほどいた人口は現在約150 人ほどで、日本の他の離島や過疎地域と同様に、人口減少に伴う少
子高齢化と産業衰退が深刻となっている。又、島の役場出張所には行政職員が1人のみで町議もい
ないため行政的機能がほとんどなく、農協や郵便局といった準公共的機関も人員削減やサービス縮
小が進められており、経済的機能も脆弱な状態にある。
【口永良部島の位置】 【口永良部島の全景】 【口永良部島の活火山】
○交通 島内に公共交通機関はなく、レンタカーは1台のみ、レンタサイクルはない。
○通信 携帯電話の通話可能域は概ね港付近のみ、インターネットも使用条件が限られている。
○産業 離職者の割合が多く、新規産業も少なく、公共工事も減少している。
○畜産 肉牛の子牛繁殖は、価格低迷、飼料代高騰、鹿被害、後継者不足で衰退している。
○漁業 漁価低迷、燃料代高騰、大型魚や貝類もほぼ自家消費や個人流通にまわされている。
○林業 日本製紙グループの社有林があり、琉球竹が採れるが、鹿害で収量は減少している。
○観光 ガイド協会は兼業、民宿が数件あるものの観光客の受入れ体制は十分とはいえない。
○商業 商店主が高齢化、夜光貝細工以外に定期的に販売している土産物はほとんどない。
○医療 医師と看護師が駐在も、専門的治療は難しい。ホームヘルパーは2名の女性が従事。
○教育 幼児学級、小学校、中学校があるが、山海留学の受け入れを行っている。
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2.事業目的
こうした状況の中で、私たちは島民が当事者意識を持って地域の合意形成を図りながら、
主体的に島の将来像を描くことにより、具体的な行動計画を策定することが重要である。
しかしながら、島には区長を始めとする多様な行政や民間の組織があり、それぞれの課
題に対する意識や視点も様々で島全体としての合意形成は容易でなく、行政が作成した長
期的な振興計画はあるものの具体的な行動計画はなく、島民が実行できる体制はほぼない。
そのようなことからまずは、行政や島民とは異なる視点と自由な発想を持った大学生が
口永良部島のあるべき姿とする未来予想図を提示することを通じて、島民の当事者意識を
醸成することにより、失いつつある島民の自信や島への誇りを取り戻す必要性を考えた。
本事業では、行政主導による長期計画を補完するため、学生が自らの知識や経験に島民
との共同生活や協働作業で得た経験を反映した島の未来予想図を描くと共に、島民が一定
の合意形成を基に主体的な短期計画を作成することを目的とする。
本事業で取り組む手法は、特に口永良部島と同じように離島の中でも孤立小型離島と呼
ばれる小規模離島において、第三者の視点を取り入れた地域での課題の整理や解決策の立
案をなるべく自然な形で行うことにより、閉塞的な環境にある当事者間の相互理解を深め
たり、利害のある関係者との問題意識の差異を縮めることを通じて、多様な主体間での合
意形成を促すことを可能にし、島民が主体的に計画を立てながら役割を分担することで、
そのような離島の自立的かつ継続的な活動を促すことができるものと考える。
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3.事業内容
島なび学生隊は、大学生が口永良部島での生活や仕事を通じて、島の未来予想図を描き、それを
実現するための具体的なロードマップを作成し、その成果を広く発信することを使命とする。
(1)島なび学生隊の組織化
都市部の学生を対象に隊員を20 名程度募集する。また、隊員のうち、明確な意志と熱意のある学
生を合宿参加者として10 名程度選考する。選考された学生の目的や能力に応じ、受け入れ側となる
島民との調整、合宿の研修内容等の検討を行い、島内での受け入れ体制を構築する。
(2)夏合宿の実施
大学生の夏休みに合わせて長期滞在型合宿を実施し、事前研修として東京から鹿児島までの移動
時間を利用し船上会議や枕崎でのワークショップを行い、口永良部島での合宿では産業研修をはじ
め、専門家のセミナーや島民とのワークショップを通じて、島の未来予想図を作成する。
(3)成果報告の実施
島なび学生隊の取り組みを広く周知させ、島外の人々に島への関心を高めてもらうため、島民と学
生が都市部のイベント等へ参加し、島の広報や成果の報告を行う。
(4)島なび応援隊の組織化
事業の成果や島の情報をWEBなどで全国に発信し、取り組みを広く周知させると共に、同じような
課題を抱える他の離島をはじめ企業や大学などとも連携して、島なび応援隊を組織化する。
(5)次年度計画の立案
島なび学生隊と事務局を中心に次年度の受け入れ方策を検討し、島民の意向や外部の意見も取
り入れながら、次年度へ向けた課題の整理と目標の設定を行い、次年度計画を立案する。
工程 期間 内容
事務局編成 平成22 年7 月末日 役割分担・WEB制作・方針協議
学生募集開始 平成22 年7 月25 日
~8 月3 日
ホームページ・メーリングリスト・新聞
島内説明会開始 平成22 年7 月31 日
~8 月1 日
説明会開催・区臨時総会開催・個別説明
学生面談開始 平成22 年8 月4 日
~8 月7 日
鹿児島市内(8月4・5日)
東京都区内(8月6・7日)
学生事務局来島 平成22 年8 月8 日
~8 月11 日
島民との意見交換・合宿内容の検討
研修受入先の調整・事務局案の立案
関係者調整 平成22 年8 月12 日
~8 月21 日
講師との面談・協力の要請・リーダー選定
学生同士のスカイプ会議・合宿内容の内定
夏合宿 平成22 年8 月22 日
~9 月15 日
船上会議・事前研修・交流会・共同作業
ホームステイ・ワークショップ・成果報告会
成果報告及び広報 平成22 年9 月16 日
~2 月21 日
ふるさと回帰フェア・近畿屋久島会総会・し
まのがっこう・アイランダー・新幹線イベント
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4.実施体制
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5.事業経緯
一般社団法人へきんこの会(以後はへきんこの会と略称する)は、口永良部島をはじめとする孤立
小型離島を舞台の中心に見据えて、自らも小さな島に拠点をおきながら、小さな島だからこそできる
肌理細やかな島民との対話を積み重ねてきた。また、そういった島民の視点や思考、人間関係や地
域事情を十分に把握したうえで、現代の若者を島へ受け入れることを通じて、島民と学生の双方が近
い将来に希望を見出すためにはどうすればいいのか、その道筋を考えてきた。
島民の多くは、1人でも多くの人に島に「来てもらいたい。」「住んでもらいたい。」という願望があるも
のの、「今の生活で精一杯の自分にはできない。」といった理想と現実の狭間で葛藤している。
一方で、行政の政策や計画の中には「理想を掲げただけの目標」、「現実にそぐわない計画」があり、
現実的な問題として「誰が、いつ、どこで、何を、どのようにするのか」が不明確なものが多い。
他方で都市に目を向けると、多くの人たちが離島に対する興味や関心を強めており、特に若い世代
では離島での地域貢献や自己啓発をしたいと考える者が少なくないが、島に関する情報はインター
ネットをはじめ資料や文献も少ないのが現状で、実際にはそのきっかけすら見つからない。
また現代の若者の多くは、知らないことやわからないことに対して自発的な行動ができない傾向が
あり、異なる価値観を持った地域における異なる世代との交流の機会は少なく、地域や社会との一体
感やそれらに対する自らの有用感を感じる機会がなく、将来への希望や自分が存在する価値を見出
すことができないばかりか、そういった学生の活動を支える仕組みや基盤はない。
このようなことから、下図のように島民と学生が共に生活や仕事をする中で、互いの持つ能力や経
験を自然な形で交換する仕組みにより、離島を舞台に双方が活力を得ることができると考えた。
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6.事業趣旨
島民の多くは、若者が1人でも多く島に残る、又は島に住んでくれることを望んでいる。一方で、島
には設備が十分に整った住宅が少なく、定期定収の仕事もほとんどないため、根っからの島民でさえ
も借家や契約社員といった例も少なくない。また、特に小さな島では、地域の行事や集落の仕事を1
人で何役もこなす島民がいて、高齢者も毎日畑に出かけたりと、多忙な日常を送っており、行政や島
民が期待する若者の移住や定住の促進は容易ではない。しかしながら、こういった困難な状況や厳
しい環境で生き抜いてきた島民だからこそ、そんな離島でしかできないことがある。
そんな島には、現代の日本人が失いつつあるもの、今の若者が求めるものがかすかに残っていて、
そこで淡々と生活する島民と都市で悶々と生活する若者とが交流する格好の舞台でもあり、私たち
はその舞台を前にいかに演出するかによって、その存在価値を証明することができる。
特に小さな離島では、1人の人間を限られた資源で支えていることから、仮に現状のままで移住者
を受け入れるのならば、島民が今ある仕事や住居を分配するか、行政が税金を投入する、あるいは
移住者が自給自足の生活をしなければ、島民は現状の生活を維持することができない。
これらのことからも、本事業が孤立小型離島や限界集落における合意形成のあり方や新規事業の
立ち上げの手法の参考事例となると共に、学生に対する教育機能を証明することにより、離島におけ
る実践的な職業能力を有する人材の育成に関する先進事例となるものと考えている。
本事業は、これまでに各地域で数多く実施されている移住や交流に関する事業とは異なり、主催者
が全ての内容を決定したうえで、参加者を募集して実施することはせずに、主催者は最低限の内容
や日程及び予算を押さえるだけで、できる限り参加者の目的や希望に応じて実施する。
この手法では、あらゆる面で主催者の危機管理が難しくなるが、島民や学生が事業に対して主体
的に取り組むことができ、島民と学生の信頼関係や相互理解を基にした危機意識が働くことで、主催
者が企画にかける労力と時間を削減しながら、参加者の満足度を高めることができることから、小さ
な島だからこそできる移住交流の型を提示することができるものと考えている。
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7.事業意義
物や情報が豊富で、多様な価値観が溢れる現代の社会においては、日本を支えてきた既存制度や
既成観念では解決が難しい課題が山積みで、都市の若者や田舎の住民の多くは小さな夢さえも描く
ことができない。また、現在の日本の都市や地方が抱える課題の多くは離島に凝縮されており、それ
がゆえに離島が抱える課題の解決は容易ではない。政治、経済、地域、社会の課題を他人の責任に
して愚痴をこぼすだけでなく、まずは私たち島民が行動を起こさなければならない。
本事業を通じて、都市の若者と離島の島民が協働して地域の課題解決に取り組む機会を創り、双
方の目標の達成や夢の実現を支援しながら、島内での新しい産業と雇用の創出を目標とする。
一方で、このような都市と農村の交流に学生を活用する手法は、昨今ではかなり一般的に実施され
ているが、それらの多くは学生が無償で農村で単純労働をしたり、行政や民間が税金を投入して若
者を一時的に雇用するものであり、双方の満足度を高めるなどの一時的な効果は期待できるものの、
税金に頼らない自立的な産業の創出や継続的な活動にはつながらないと考えている。
本事業では、学生が対価を支払って離島で学び、島民が対価を受け取って学生を教育する仕組み
を口永良部島での新しい産業を創出するための実証を行い、都市や他の離島とその成果と課題を共
有することで、それぞれが連携してこれらの手法を実施するための基盤を構築する。
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第2章 島なび学生隊の組織化
1.学生の募集
○募集概要
大学生の中でも、離島や地域の課題に対して学生なりの問題意識を持って活動するものがいる。
彼らはその問題意識を自由な発想で捉え、それを行動に移すための機会を求めていることから、そう
いった意識の高い全国の学生を対象に、離島での合宿に参加する者を募集して選抜した。
○募集期間
平成22年7月25日~8月3日
○募集対象
離島の活性化等に関心のある国内の大学・大学院等に通う大学生
○募集人数
10名程度
○応募方法
氏名、大学名、学部学科、学年、年齢、連絡先、応募動機、意見・要望をメールで送付
○募集方法
・南日本新聞への募集記事掲載
・島なび学生隊のホームページでの募集
・地域活性やインターンシップに取り組む企業・団体等のメーリングリストなどで募集
○募集基準
・熱意があること
・自分の「したいこと」が明確か(当合宿に限らなくてもOK)
【南日本新聞掲載記事】 【島なび学生隊WEBサイト】 【学生募集チラシ】
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2.学生の選考
○募集結果
短期間での募集となったが、東京・福岡・鹿児島から13名の大学生から応募があった。当初は、学
生隊を20名程度募集してから選考という過程を想定していたが、応募者だけでも13名の応募となっ
たため、選考は行わずに最終的に合宿に参加可能な12名全員を採用した。
応募者数:12名(応募者数13名のうち1名は辞退)
○応募者内訳
・へきんこの会からの情報(来島経験あり) 1人
・来島経験のある学生事務局・大学教授 6 人
・来島経験のない大学教授 3 人
・大学の地域共生教育センター職員から 1人
・新聞から 1 人
合計 12 人
○選考基準
代表理事が応募者の全員と面談を行い募集基準を確認し、事業の趣旨を説明したうえで、
学生の目的や動機を軸に本事業で何ができるかについて意見交換を行い選考を行ったが、
いずれの学生からも目的意識や挑戦意欲が確認できたため、12名の全員を採用した。
○選考経過
7月25日 島なび学生隊WEBサイトで学生の募集を開始
8月 1日 南日本新聞社屋久島支局の記者からの電話取材により新聞に掲載
8月 4日~7日 鹿児島市内ではNPO法人、東京都内ではJOINの協力により説明会を開催
※JOIN=移住・交流推進機構
8月10日 採用通知の送付
8月18日 学生参加者によるスカイプ会議
※スカイプ会議では、学生同士で自己紹介や参加動機などを語り、互いの意見や情報を共有
【3331Arts Chiyoda トビムシスペースでの面談(8月6日)】
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○学生リーダーの選抜
短期間でリーダーを選出する必要があったため、代表理事の独断で決定した。選抜にあたっては離
島への意識が高く、NPO法人の経験があることなどを考慮したが、実際のところリーダーに値する学
生を短期間で選抜あるいは養成することはできない。今回はリーダーの選定をへきんこの会が行っ
たが、学生間で決めることも検討の余地がある。しかしながらその場合には、事業者側の意図する活
動や期待した効果を得ることが難しくなる。
結論としては、リーダーは学生ではなく相当程度の能力を有した社会人を選定すると共に、事業全
体の統括責任者(本事業では代表理事の山地が担当)とは別に配置することが望ましい。
○実施結果と今後の対策
・募集期間が短かったが、本来であれば1ヶ月以上の期間を確保すべきであった
・応募人数が少なかったが、人員を確保するためには連携先との事前調整の期間が必要
・代表理事1名での採用12名への対応が難しいため、採用人数減又は事務局機能が重要
・短期間で学生の目的や動機は把握できないため、求める人材像を明確にする
・募集や調整に係る期間の確保、それに関する事務局の対応を万全に整えるためには、1次
選考に書類審査、2次選考で面接、3次選考とした工程を踏むことが望ましい。
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3.島民との調整
○実施内容
本事業の実施にあたり、島民に対する事業内容の周知と協力を依頼するため、島内に2つある公
民館(区)の館長(区長)に事前説明を行ったうえで、説明会を以下のとおり開催すると共に、学生事
務局が来島して合宿の内容や方法について島民と直接に協議することを通じて、学生と島民の双方
の要望や期待を反映した。
○実施経過
7月31日 湯向公民館で湯向区臨時総会を開催、協力を依頼 (参考資料)
8月 1日 本村区の屋久島町役場2Fで事業内容を説明し、協力を依頼
8月 9日 来島経験のある学生事務局が島民と合宿内容の事前調整を実施
○学生事務局の提案
以下は、8月9日に実施した島民との事前調整を踏まえて学生事務局が作成した検討資料で、この
中にある提案の一部分を本事業での夏合宿や合宿前に実施した事前研修に反映した。
<目的達成のための手段>
・内部チームづくり:参加する学生がどのようなことを考えているのかを把握する
・島の達人に弟子入り:民泊を通して島の生活を島の人に学ぶ。
・イベントを作り上げる:島の人との協働を実感する。
・長期プロジェクトの提案:長期的協働体制作りのために出来ることを考える。
<注意すべきこと>
島の方の生活に入り込むことは、島の方にとって何のメリットもない。彼らはそこで生活をしていて、
私たちがそこに入り込む自体「迷惑」なことこの上ないからだ。ガイドをしているわけではない。それを
きちんと自覚すること。そのため今自分に出来ることを、無理をせず行うことが重要である。
<上記を踏まえて現地入りまでに学生がすべきこと>
・誰を自分の師匠とするかのイメージ作り
学生がイメージを持って交流会に臨むため、自身が学びたいことと合致した島民との調整を
行ったうえで、交流会で師匠を決定し、弟子入りの具体的な調整を行うことがベストである。
・内部のチーム作り
音楽祭スタッフとして学生が協力し、成功させることはこのプロジェクトで不可欠。どんな学生
が参加しているかをお互いに確認し、さらにどういう形で音楽祭を盛り上げていくかのミーティ
ングが必要。山地さんからは鹿児島側の参加者を船上にて紹介をしてもらう。音楽祭の準備
としてポスター作りをして音楽祭をPRし、そこで自分の名刺を渡せば島民と話す機会になる。
・まとめ
東京→鹿児島間では、自分がこのプロジェクトになぜ参加するのか、何をするのかを公言する。ま
た、鹿児島側の参加者の紹介を山地さんから受ける。鹿児島到着後は、鹿児島側/東京側相互の交
流をし、共に動く参加者の理解に務める。山地さんから島の方の紹介を受け、師匠のイメージをつけ
ておく。音楽祭に向けて自分たちがどう動くべきかの打ち合わせを綿密に行っておく。
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<現地滞在期間中のスケジュール>
山地さんの研修所に学生を集める理由として、まずは学生が口永良部島という環境に慣れることが
必要と感じたので、自分たちで自炊をするという経験も重要だし、音楽祭の為の準備も進めなければ
ならないため、全員で固まって行動する期間を出会ってすぐに作った方がいい。途中で帰京する者は
希望があれば皆より早めに民泊をしてもいいかもしれない。
○実施結果と今後の対策
学生の面談と事前研修に係る関係者との調整等に時間を要したため、島内での説明会の周知不
足が生じたが、これまでの活動実績により、限られた準備期間で一部の島民との合意が形成できた。
本村区については少人数での説明会となったが、湯向区については、代表理事が役員であり人数も
少ないことから、臨時の総会を開催して集落全体へ説明を行うことができた。また、説明会に参加で
きなかった方には、代表理事ができる限り個別に訪問し説明を行った。
反省点として、島民の予定や行事が把握できていなったことや、事業の趣旨や目的を十分に説明
できなかったことから、学生の情報を島民に、島民の情報を学生に提供できなかった点がある。
以上のことから、島民に学生が合わせられるように、島民の予定をあらかじめ把握しておいたうで、
区長や行政など公的な人物を通じて、集落全体への説明を実施し、委託者を含め島外の大学教授
など、立場の異なる人間を交えて調整を図ることにより、島民との対話を円滑にできる。
【本村区説明会(8月1日)】 【湯向区臨時総会告知】
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第3章 夏合宿
島なび学生隊は人口150人ほどの口永良部島を舞台として、島民の豊かな知識や経験をもとに島
での共同生活や協働作業等を通じて、学生ならではの長期的な視野と創造力を活かした島の未来
予想図を描き、それを実現する具体的かつ実行可能なロードマップを作成し、その成果を都市部の
国民に広く情報発信することを目標として、25日間の合宿を以下の通り実施した。
工程 期間 内容
1.船上会議 平成22 年8 月21 日
~8 月22 日
東京・有明港~鹿児島・志布志港の船上
にて組織の役割分担等を協議
2.枕崎研修 平成22 年8 月23 日地方起業家の講師による事前研修
3.鹿児島市内研修 平成22 年8 月23 日
~8 月24 日
離島に関する研修、出陣式
4.島民との協働作業 平成22 年8 月26 日
~9 月7 日
寝待温泉復旧作業(8/2 6)や甘藷畑除草
作業(8/30 )など
5.ホームステイ 平成22 年8 月27 日
~9 月13 日
学生の要望に応じた島民を選定して数日
間の共同生活と協働作業を実施
6.交流会 平成22 年8 月28 日学生主催による島民との大交流会
7.放牧勉強会 平成22 年9 月1 日放牧アドバイザーを招いて農家と勉強会
8.音楽祭 平成22 年9 月5 日音楽祭運営をボランティアで補助
9.ワークショップ 平成22 年9 月7 日
~9 月8 日
島根県海士町・㈱巡りの環・阿部氏によ
るワークショップ開催など
10.島内成果報告 平成22 年9 月13 日
~9 月15 日
合宿の成果をとりまとめ、島民に対する
成果報告会を開催
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1.船上会議 (東京有明発鹿児島志布志着のフェリー)
【平成22年8月21日~8月22日】
東京の学生が鹿児島へ移動するにあたりフェリーを利用することにより、長時間の移動時間を活用
した船の利用方法やその手段について検討することを通じて、参加者の意思疎通を図った。
目的 ・東京と鹿児島の距離感や船旅を体感
・事業の目的や趣旨の理解、島についての情報や意見交換
・事業における役割分担や規則作成
方法 ・島なび学生隊は学生が主体的に運営することを確認
・学生リーダーは特別な権限を有する旨を説明
・学生リーダーを中心に学生同士で役割分担等を協議
・サブリーダーはリーダーの補佐をすることを明示
・学生はそれぞれ役割を担うことを確認
・へきんこの会は事業責任者として、学生の活動を支援する旨を説明
・日程調整や予算編成はへきんこの会と協議することを確認
内容 ・自己紹介 各々の大学での活動などざっくばらんに情報交換
・船上会議 基本的に自由時間、学生同士の会議や面談など
・日程連絡 全体の日程は一部だけ確定(個人の日程は別途協議)
・共同生活 島での基本は共同生活(まずは島を知ることが重要)
成果 ・学生同士が参加の動機や目的、相互理解を深める
(組織内部の関係性を構築することに貢献した。)
・口永良部島に入る前に島に対するイメージを作り上げた
(事前の情報と事後の現場での差異を確認するうえで重要)
・学生リーダーと東京からの学生が主導して役割分担
(事前の調整はできなかったが、これにより以後を円滑にした。)
課題基本方針を伝えるだけで具体的な指示を出さなかったため、役割分担や
規則作成など決定すべき事項について徹底できなかった。
(学生に任せる部分と主催者としてやるべきことを明確にしなかったた
め、学生自身が決定事項に対する責任を遂行する能力を見誤った。)
対策 ・議事録の作成及び決定事項を紙媒体で記録する。
(パソコンの記録は記憶に残らない部分が多い。)
・学生に期待する成果をあらかじめある程度は明確にすべきである。
(基準値と方法論を提示したうえで学生自身の目標を定める。)
・偏ったグループをつくらない。
(特定の大学や研究室及び団体では主催者の意図は実現しない。)
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(補足)
船上にてお互いに話をする機会として設けたほか、ふだんは体験することはないであろう、フェリーで
の移動をあえて選択した。フェリーでの移動は理事からも異論が出たが、代表理事の意向により仕
様書の段階で東京からの移動をフェリーにすると明記した。都市部から交通・生活インフラ・情報網整
備等で大きく状況の異なる場所に行くにあたりギャップの差を飛行機でなくすのではなく、自分たちに
とって何が不便か・何がなくなったら困るのかを理解し、島での生活を具体的に想像することを目的と
する。また、長い時間を過ごすことにより、まだ見ぬ土地への期待感や結束力を高める効果をねらい
とする。
船上会議① 船上会議②
離島問題を考える上で航路の存在は大きく、離島航路は海の国道ともよばれている。海をまたぐ長
距離輸送の手段が船舶から航空機に変わりつつあるが、離島の生活物資の運輸手段は今もフェリ
ーが要である。口永良部島でいえば町営船・フェリー太陽が唯一の生命航路であるが、国庫補助対
策を受ける赤字路線であり平成20年からは経営健全化の指導を受けている。また、長距離旅客航
路では陸上トラック輸送とも競合せねばならず、その航路維持は非常に厳しい状況にある。旅客減少
による船員削減の結果、サービス水準が他の交通機関に比べて低く、それがさらなる旅客減少を招
いている。快適なサービスに慣れた都市部の学生が航路の存続維持についてマスメディアの情報だ
けではなく、また事業者の意図により意見を左右されることなく、体験を通じて実感を持つことが事業
者の意図である。
結果、学生からは飛行機と比較して「こんなに時間をかける意味がわからない」「予算をけちってフ
ェリーにしたのか」と不満の声を聞いたが※、明石海峡や太平洋から高知県の足摺岬を眺望できる
位置にきたときには甲板での写真撮影や音楽を奏で数少ない乗客との交流を行うなどして2泊3日
の長い時間を工夫する姿勢も見られた。
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2.枕崎研修 (鹿児島県枕崎市/NPO法人アースハーバー・黒潮農場)
【平成22年8月23日】
船内会議を経て鹿児島本土に入り、陸路で枕崎へ移動して講師による事前研修を行った。
目的 ・学生各個人での目標を設定
・目標設定が困難な学生に対する講師による助言や指導
・目標設定に対する事業者との意見交換
講師の助言 ・学生として地域へ入る上での心構え
・外部者の視点を活かした発想のポイント
・企画書は学生ならではの視点で作成
・客観的に見た学生隊への期待
・士気を高め充実した事業にするための自己啓発
方法 講師からの個別指導を受けながら、学生個々が現時点で構築できる
最大限の企画書を一晩かけて作成し、翌朝に発表を行った。
内容 ・講師による事例紹介
・島なび学生隊の定義や意義について協議
・ワークショップで学生個々の意見を発表
・企画書の作成と発表
成果徹夜での作業となったが、合宿の雰囲気づくりや一体感が醸成さ
れ、講師と学生が集中して企画書を作成する時間を確保した。
(事前研修の記録を確認すると、事後の変化の様子がわかる。)
課題講師や参加者に事前研修の意義や企画書を作成する意味を十分に
理解させることができず、結果として企画書の精度が低下した。
(企画書=未来予想図+ロードマップの意識付けが不十分だった。)
対策 事前研修の期間を相当程度確保して内容を精査すべきである。
(結果的に、事前研修のでき具合が非常に重要であった。事業の趣
旨や目的の理解のほか学生の役割や責任については、船上会議や
共同生活の中である程度時間をかければ学生は理解するものと考
えていたが、最初の段階で徹底しなければ後で修正はできない。)
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【講師プロフィール】
高橋素晴氏
NPO 法人アースハーバー代表理事、天然塩釜元黒潮農場
当主。
1982 年新潟県新潟市生まれ。最年少カヌー越佐海峡横断、
最年少ヨット太平洋横断、放浪旅など冒険的な10 代を過ご
し、大学進学で福岡に移住したことがきっかけで、本格的
に九州に拠点を置くことを決める。地域づくりNPO の事務
局長、アースキャラバン2008 リーダーを経て、鹿児島県枕崎市で独立。「天然塩釜本・黒潮農場」と
「NPO法人アースハーバー」を設立し、有機的生産活動による生業と、実践的学び場づくりを通して、
共生的で持続的な暮らしと地域の創造を目指している。
枕崎公民会での会議 企画書の作成
個人テーマ発表
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3.鹿児島市内研修
【平成22年8月23日~8月24日】
枕崎での研修後に陸路鹿児島市内へ移動し、離島の関係者による研修と出陣式を行った。
三島村と十島村は口永良部島の両隣りにある離島で、口永良部島と同様に孤立小型離島と呼ば
れる地理的にも経済的にも厳しい環境にありながら、それぞれ特徴のある取り組みをしている。
三島村は行政主導で、基幹産業の肉用牛生産を始め、ジャンベ留学や枕崎との連絡船の実証運
航など、他の地域との連携を図りながら農業と観光を中心に新しい産業づくりに取り組んでおり、十
島村はNPO 法人が中心となり、特産品販売の拠点整備や移住者の積極的な受け入れにより、
小規模離島の再生モデルを実現すべく、鹿児島の離島における先導的な取り組みを行っている。
また、Tenbiz という社会人団体は、鹿児島の中心街である天文館を盛り上げようといろんなテーマ
で意見交換会を開催しており、その一環として離島をテーマに島なび学生隊が招待を受けた。
目的 ・周辺離島の三島村や十島村の現状把握
・十島村NPO法人の活動理解
・鹿児島市内の社会人との離島振興に関する意見交換
内容 ・三島村村長の講演と意見交換
・十島村のNPO法人代表理事の講演と意見交換
・鹿児島市内の社会人団体との意見交換を通じての出陣式
( 口永良部島への出発に向けた決意や想いを各自が表明)
成果 ・学生が他の離島の状況をある程度理解して島に入ることができた。
(口永良部島を他の離島と比較して考える視点を持たせた。)
・先方からは「口永良部島もいいが、うちの島に来なさい」とのこと。
(他の離島との共通課題に取り組むことで連携を深めることができる。)
課題過密日程で調整したため、十分な時間を確保できずに先方の話しを聞くこ
とで精一杯で、学生から意見を述べることがほとんどできなかった。
(相手方の課題や活動の報告に対する質疑応答に留まった。)
対策主催者が学生に学んでもらいたい点をあらかじめ先方に伝えたうえで、先
方が学生に期待する点を確認したうえで調整することが大切である。
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【南日本新聞掲載記事(8月26 日)】
三島村・十島村は戦後の本土復帰後にそれぞれ区分された地域で、もとは屋久島・種子島・口永良
部島の熊毛郡とも交流があり、それぞれ課題を抱えている。どちらの村でも人材確保が困難で、役場
が島外にあることを課題にあげた。「三島も受け入れをするから、口永良部島から帰ってきたら来なさ
い。」「トカラは島もいっぱいあるから好きなところに来たらいい。」との誘いがあった。
【三島村村長との意見交換会(要旨)】
今三島には365 名住んでいて、生活はなんとかできるけど満足はできないという状態。子どもを教
育できない。島の人たちの所得を倍にしたいと考えている。1つの地域が100 名前後なのだが、それ
ぞれを150 名くらいにしたい。高齢者の世話は仕事を中断していかなきゃいけない。やることが多い
ので遠くまで漁に行けない。子育て、教育も人数が多い方が良い。新産業をつくりたい。交通の問題
と産業とは密接に関係している。予算を効率よく使うことも焦点。例えば体育館をたてようと思ったら3
つの島それぞれに作らなければならない。村役場が鹿児島市内にあると村人の顔が見えず、現場の
声をくみ取ることが難しい。ではなんとかしよう。無理だと思って辞めてしまうのではなく、諦めずに頑
張ること。
三島村村長との意見交換会 日高郷士村長
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【NPO法人トカラインターフェイス・代表理事との意見交換会(要旨)】
上三島、下七島で十島村。大東亜戦争で北緯30 度以南は米国の統治下に。下七島は十島村に。
591 名いて、中之島は一番多くて143 名、一番少ない島が42 名。どこも100 名足らずの島。
役場は鹿児島市内。行政に現場の声が反映されにくい。中之島は小学5 年が6 人。教師8 人。あと2
年すれば彼らは卒業して学校は廃校になる。1人では生きていけない時代になり、助け合い、共生す
る時代になってきている。労働交換してやり取りするような、結の精神を復活させたいと考えている。
人と人とのつながりをつくっていこう。原点に戻ろう。
トカラインターフェイス代表との意見交換会日高重成代表理事
トカラインターフェイス特産品販売所(結プラザ)の視察
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【鹿児島市内の社会人団体Tenbiz】
鹿児島の持続可能性を考えるために天文館のビジネスマンが集まり、ゲストを呼んで集会などを開
いている団体との意見交換の場はもった理由は、鹿児島に来ることが初めての学生もいるので、ま
ずは少ない時間でも鹿児島の雰囲気に親しんでもらうと共に、離島への拠点である鹿児島の都市と
離島、社会人と学生のギャップを肌で感じてもらうことであった。
一方で、Tenbiz側としても離島に興味や関心があり、実際に行動に移す都会の学生がどのような想
いや考えを持っているのかという点で、離島振興について考える場にしたいとの意向もあった。
また、この場所での成果報告会開催を既に確定していたため、出陣式として位置づけることで、学
生自身の決意表明を公の場で行い各自に責任と自覚を持たせると共に、学生たちが離島の経験を
経てどのように変化したかを成果報告の場で、第三者の視点から確認する狙いがあった。
NPO 法人ネイチャリング・プロジェクト会場 トークセッション
ワークショップ出陣式
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4.島民との協働作業
【平成22年8月26日~9月7日】
学生と島民が自由な雰囲気で交流する場として、協働で作業ができる環境を提供した。
この取り組みは、あらかじめ主催者が島民と確認したうえで実施したものもあれば、学生と島民の
交流を通じて、自然発生的に実施したものもあるが、ほとんどの学生が参加することになった。
いずれの活動も島民の要望に学生が応える形であり、学生自身の目的を達成するだけでなく、島民
と共に汗を流すことでしか見えない、島が抱える課題や島民それぞれが持つ意識が見えてくる。
主催者の意図としては、この取り組みを通じて学生でも役に立つ、学生だからこそできることを島民に
身をもって理解してもらうことにより、例えばイベントであれば島民が参加者から対価をもらったり、逆
に対価を支払って労働をお願いするなどあらゆるプログラムを作るための基盤にしたい。
目的 多くの島民との対話と協働の場を提供すること
方法 それぞれ適宜、島の予定を確認したのちに関係者で調整した
内容 ・寝待温泉復旧作業(本村公民館長の依頼)
・卓球大会(ヨットマン主催)
・甘藷畑除草作業(口永良部島活性事業組合)
・バレーボール練習(スポーツ同好会)
・金岳小中学校運動場除草作業(金岳小中学校とPTA)
成果 ・学生が島の雰囲気に早く慣れ、労働を通じて対話ができる。
(自分の目的達成だけでなく、島民と純粋に楽しむための機会。)
・繁忙期、非常時、単純作業には経験の浅い学生でも助けになる。
(島民にすれば学生は役に立たないと言えるが活躍の場もある。)
課題 あらかじめ島内の行事日程を十分に把握できていなかった。
(島なび学生隊としてやるべきことと、学生個人がしたいことが混在
したことで、何を優先しなければならないのかの判断材料がなかっ
たため、学生も島民にとってもその位置づけを理解できなかった。)
対策年間を通じて行事や祭事などの日程や人手が必要な作業を体系
的に整理することにより、誰に、いつ、何をしてほしいかを明確にす
ることで、積極的な広報が可能になり、来島者も島民も互いに満足
できる企画や仕事及び娯楽の形を作り上げることができる。
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【寝待温泉復旧作業】
梅雨の大雨で土砂崩れにより使用できなくなった温泉の復旧作業。湯船には重機が使用
できないのでバケツリレーにて泥のかきだしを進めなくてはならなかった。
土砂で埋まった寝待温泉 学生が大活躍
老若男女バケツリレー 手作業での土砂の汲み取り
お姉さんたち手作りの軽食 作業完了
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【卓球大会】
湯向区の区長・ヨットマン(畠喜人)による卓球大会で、優勝者には三岳が贈呈される。ヨットマンは
屋久島町での卓球大会でも優勝した経験があり、卓球教室を毎週月曜日の放課後に開催しており、
数少ない習い事のひとつになっている。最近では子供達だけでなく、父兄や大人も混じって練習や大
会を行っており、来島者も気軽に参加して島民や子供たちとの交流を楽しんでいる。
来島者があると臨時で開かれる卓球大会
【口永良部島活性事業組合の甘藷畑除草作業】
三岳の原料用甘藷(さつまいも)の除草は、広い畑でも基本的には手作業で行っている。
作業の中心は島のお姉さん方 学生も真面目に作業
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5.ホームステイ
【平成22年8月27日~9月13日】
学生事務局と学生から強い要望のあったホームステイについて学生主体で調整して実施した。
当初の計画では、島に入ってから最初の1週間は共同生活をしながら、学生は地域の事情を理解
することを通じて、自らの目標設定を行う期間とする予定であったが、学生の中には合宿の途中で島
を離れなくてはならない者がおり、それらの学生が所属する大学の研究室の准教授の要望もあった
ため、例外的に条件付きでホームステイを許可することにした。条件とは、学生が自ら決めた規則
(日誌の提出や連絡、報告、相談を徹底するなど)を守るということである。
目的 島民の生活や仕事を通じて島のあるべき姿をより具体化させる。
方法 基本的に主催者が島民と学生の調整を行い、日程や条件を協議する。
(実際は学生と島民の間で日程や内容を決定し、事後報告となった。)
成果 ・学生は希望する島民と交渉して個人の目的をある程度達成
(短い時間で多くの島民の生活や仕事を共にすることができた。)
・島民はどの学生に対しても柔軟に対応できることを確認
(学生の予定にあわせながら、時には直接的な指導ができる。)
課題 ・学生の満足度が高く、島民の負担感が大きい。
(学生の予定に島民があわせる形で振り回される結果になった。)
・島民の学生への対応がややお客様扱いになった。
(手伝いや労働への御礼としてやや過剰なもてなしをしてくれた。)
・学生は個人の目的を優先し、未来予想図を描くという役割を忘れた。
(島民と学生間で話しが進み、主催者が後手に回ってしまった。)
・個人の目的を達成するよりも仲間と共有する時間が優先された。
(学生の役割を徹底させなかったため、責任感が失われた。)
・一部の学生だけが島なび学生隊の組織運営を行うことになった。
(学生が協力して行う前提が排除され、意思統一が図れなくなった。)
対策 ・学生が決めた規則を徹底させる。
(自主活動に関する規則ができているかを確認する手段を用意する。)
・連絡、報告、相談を徹底する。
(紙媒体などで可視化すると共にその方法論まで提示しておく。)
・島民が主導権を握ることができるようにあらかじめ条件を提示する。
(特に仕事の内容、食事の時間、宿泊の有無などは必須)
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(補足)
本来であれば、2週間以上の滞在が条件であったため、彼らは参加できないところであったが、彼ら
の想いと意欲を考慮して参加を認めた。しかしながら、そのように彼らに対する特例を認めたことで、
島なび学生隊としての組織の意志統一や協力体制を確立することが一層難しくなった。
そのため、交流会など島なび学生隊として全員で取り組むべき企画を前に、大半の学生はホーム
ステイを開始し、ホームステイに行けなかった学生が企画の運営や準備などでホームステイに行った
学生の役割まで肩代わりせざるを得ない状況になった。学生のリーダーとサブリーダーが中心となっ
て、島なび学生隊としての運営を考えなければならないが、このような状態では機能せず、また責任
者も島内での別の仕事や集落の役割などがあり、責任者、事務局、学生のそれぞれの役割分担や
目標設定などの軌道修正を行うだけの時間を作ることが最後までできなかった。
また、ホームステイの条件についても学生に自主的に守らせるというだけで、どのように守るかとい
う方法論まで与えなかったことで、「方法や手段がない。」ということになり、学生が決めた規則である
日々の日誌提出や連絡、報告、相談も徹底されなかったため、事務局が決めたホームステイの規則
を作成し、学生に再度確認させたが、それも最後まで徹底させることができなかった。
結果的には、島なび学生隊として果たすべき役割よりも、「ホームステイをして楽しむ」という学生個
人の意思が優先されたことにより、あくまでも手段であったホームステイが目的となった。
学生の自主性を尊重することに重きを置いたがため、逆に自主性を失わせてしまったことには
主催者の考え方に甘さがあったと反省している。その反省を今後にどのように活かすかということが
重要であり、島民の意見や専門家の指導を仰ぎながら、その手法を考える良い機会になった。
久木山運送での研修 漁師の修行ガイドの指導
生命の尊さを実感住宅新築の手伝い 共同研修所で日誌
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6.交流会 (口永良部島/本村公民館)
【平成22年8月28日】
学生と島民が交流する場を学生が自ら準備して行い、互いの想いや考え方を共有した。
目的 ・学生の来島目的を島民が理解する。
・島民との忌憚のない会話をする機会をつくる。
・不案内の学生とおせっかいな島民との自然な接点をつくる。
・何もない島で企画を実施することの大変さを実感させる。
方法 ・学生が島民を交流会に招待するかたち
・日程調整や会場確保などの他は基本的に学生が準備
(交流会の内容、スケジュール、役割分担、食事の調達から調理、
島民への周知、会場の設営や運営、片付けや湯向への帰り支度など)
・予算など不明点は学生との協議により事業者がその可否を判断
内容 ・島民への広報/前日の島内放送/公民館の利用許可申請
・軽食と飲み物の準備/学生の自己紹介
成果 ・学生の目的を理解することで島民の受け入れを容易にした。
(そもそも学生が何を求めて島に来るのかは島民には理解し難い。)
・島内の会合は女性が準備することが通常だが、女性が参加できた。
(行事や会合で女性の意見を反映する機会をつくることが重要)
・学生同士の協力体制ができた。
(学生は教わることを待っているため、自らが動くための仕掛け。)
課題 ・単なる飲み会とはならなかったが、意見交換会まではいかなかった。
(構成や内容も学生に任せたため、目的の全てを達成できなかった。
・規則に反して、一部の島民と学生でホームステイが合意されたこと。
(船上会議で本事業に関する重要な決定事項は事業者に相談、連絡、
報告したうえで決定することになっていたが、学生はその重要性を理解
することができずに、また島民はその経緯を知らないためにこのような
事由が発生した。)
対策趣旨からしても固くならないことが重要だが、目的達成のためには学生
と島民の双方に対して、事業の目的を理解してもらう必要がある。
特に飲んだ席での決まりごとは、のちに問題となることは世の常である
が、逆に堅苦しい状況では学生と島民の距離感が縮まらないことか
ら、調整役である事業者のきめ細かい対応がその成否を担うことから、
物事を決定する調整は各自で行い、最終判断を事業者が行うことを徹
底すると共に、その手法と意義を合宿に入る前の段階で、島民に理解
してもらうことが重要である。
27
(補足)
島には娯楽施設がなく飲食店も数年前になくなってしまい、飲み会は夕方の娯楽の一つである。ただ
し、飲み会の主催者側の女性は何時間も前から食事作りに追われ、楽しみではあるが負担もあるも
のとなっている。また若手の島民の数も限られており、メンバーが変わることは基本的にない。その
中で学生が自ら企画し運営するといった企画は、居酒屋や友人同士の飲み会とは違う意味あいを持
つ。また今回は音楽祭というイベントが控えており、島民に協力を頼んだりする場面が多くなる上での
布石という面もある。
学生手作りの夕食に見かねた?子供たち
島なび学生隊の自己紹介 島民との大交流会
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7.放牧勉強会 (口永良部島/町営牧場・湯向公民館、他)
【平成22年9月1日】
主要産業である畜産業の課題について専門家と島民を交えた視察と意見交換を実施した。
島のあるべき姿(未来予想図)を考えるうえで、島の基幹産業を中心とする島の歴史や文化を学ぶこ
とが大切であると考えており、その過程を通じてでしか現在の暮らしや働き方を理解することはできな
いし、島の向かうべき方向(行動計画=ロードマップ)を示すことは到底できない。
その意味で、産業としては衰退し後継者もほとんどいない状態の畜産に携わる農家の考え方と、そ
れらの農家に対して指導する立場にある専門家の意見を客観的に判断する機会とした。
目的 ・畜産農家の現場と牧場の視察により対話の機会をつくる
・基幹産業に対する島民と専門家の見解を学ぶ
・自然放牧に対する理解を深める
方法 ・学生は任意での参加
・畜産に関心のある学生による畜産農家への広報
内容 ・専門家と共に島の牧場や農場を視察
・畜産農家やアドバイザーとの現場での意見交換
・アドバイザーが湯向公民館でプレゼンテーション
( 放牧のあり方や交配に関する問題点を農家と意見交換)
成果 ・第三者の視点を交えた勉強会が開催できた
( 通常は島民同士や行政職員との会合が多い)
・学生が畜産の現状と農家の実情に触れる機会
( 農家と専門家の考え方はほとんど違う、その差を実感したこと)
課題 ・農家は多忙なため、日中に十分な意見交換ができない
(作業中の対話と会議の場での意見交換は全く違うもの)
・島の重要な課題を、学生全体で取りくむべき
(島民や専門家とは違う客観的な視点をなるべく多く持つことが大切で、
今回は参加者を興味のある学生のみに絞った点が間違いであり、興味
のない学生の視点こそが逆に島にとっては重要となることがある。)
対策勉強会の趣旨や主催者の意図は事前に伝えておくことが重要であり、1
つの方向性があるのであれば、それをあらかじめ提示しておく。また、今
回は日程を詰め込んだため、畜産分野に限った勉強会しか開催できな
かったが、漁業や観光など他の分野でも同様の手法が有効である。
29
(補足)
町営牧場は、昭和55 年に公共育成牧場整備事業で整備され、採草地5ha、放牧地32.7ha、野草
地16ha、合計53.8haであり、かつては8 戸の農家で60 頭程度を放牧していたが、草地改良を
行ってから20年以上を経過しており、牧養力が著しく低下し、放牧頭数も減少している。放牧アドバイ
ザーからは「鹿対策は重要。牛と鹿は食性が似通っていることで牛の草が鹿に食べられてしまい、そ
れで人間がエサを補充するなどの負担が増えてしまう」と放牧の良さが阻害されている現
状への指摘があった。学生に関しては島民と専門家の双方に現状改善の意思があっても、物事が進
みにくい状況を体感することが重要であり、問題解決の現場を見ることができたと考える。
学生がその報告を大学にて実施している。
島内の牧場を視察専門家と農家の意見交換
放牧の指導飼養管理の助言
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8.音楽祭 (口永良部島/金岳小中学校体育館)
【平成22年9月5日】
財団法人日本離島センター平成22年度「離島人材育成基金助成事業」として実施した。
本事業の位置づけは、上記事業を補完する人材育成に関する取り組みとして、島なび学生隊が音
楽祭の企画や運営などの補助を行うことにより、島民との交流を深めるだけでなく、島のイベン
トを島民と共に作り上げることを通じて、小さな島でしか味わえない島民と学生の一体感を感じると共
に、それが島民自身の活力にもなると同時に学生の成長につながることの実証である。
来島者(お客さん)と島民(迎える側)の間にたって、互いにとっての最善策を考える場面は、通常の
農業体験や移住体験では味わえないものであり、物事を客観的に捉え判断するために必要な視点
である。また、今回は同じ立場にある学生が音楽祭の主な構成員であり、彼らは離島での自己実現
の場を求めて、自費でわざわざ遠いところまで来ている。そんな彼らの目的意識を汲み取ったうえで、
島なび学生隊が何をすべきか、自分たちのやるべきことを考えてもらう機会とした。
目的 財団法人日本離島センター助成事業との人材育成に係る相乗効果
方法 島なび学生隊は運営をボランティアで補助(※予算は投入していない)
内容 ・島民に対する音楽祭への協力の依頼とその調整
・会場の設営や演奏家への対応
・交流会の準備とその調整
成果 ・学校や地域の協力により学生と島民をあわせて50名ほどが参加
(島の行事でこれだけの人数が集まることは通常ない。)
・オペラやジャズなどの生演奏を普段耳にしない高齢者などを招待した。
(普段あまり外出しない高齢者が行事に参加したこと自体が成果。)
・招待のための広報活動を通じて、島民との対話の場を提供した。
(対話が得意でない学生にとって多くの島民との対話する機会になる。)
・学生は離島における多様な主体間での合意形成の困難さを実感した。
(本事業が島民にどれだけ負担であるかを実感できれば良かった。)
・島での企画や運営に関する手法を自らが体験
(島で何かをやりたいと言う学生が現実的に物事を考える機会である。)
課題 ・台風接近のため日程調整が当日まで難航したため現場が混乱した。
(あえて主催者不在で実施前日までの準備をしたことが裏目に出た。)
・島民と学生が企画を主体的に取り組むためには時間がかかる。
(事前に企画の趣旨や目的を十分に理解することで解決ができる。)
対策 企画を予定通り実施できない可能性を理解しておく必要がある。
(島なび学生隊にも当てはまることであるが、島の天気と島民の気分によ
る予定は変わりやすいというよりも変えざるをえないということを参加者、
今回であれば学生に理解させることが重要であるが、これは現場以外で
身に付けることが難しいが、あえて事前研修を理解する機会にすべき。)
31
(補足)
大きなイベントはこの島にとっても年に数回程度しかないため、島民だけでも大変な行事になるが、
今回は島民、島なび学生隊の学生、鹿児島国際大学の学生、プロの演奏家といった異なる立場の人
間が関係したため、事前の調整から会場の運営まで非常に困難な状況が想定された。
音楽祭の数日前から当日まで、責任者の代表理事が他の用事で島を離れていたことと、台風の接
近により、当日の朝まで音楽祭実施の可否が確定しなかったことなどから、当初は開催すら危ぶま
れたのだが、島なび学生隊と島民の協力により、何とか実施までこぎつけた。
当日は、町営船のフェリーが欠航したが、代船のふみ丸をチャーターして、演奏家と学生一行のほ
とんどがひどい船酔いの状態で、ようやく屋久島から口永良部までたどり着くことができた。
到着後の学生の様子は、演奏ができないのではないかと思われるほどだったが、会場入りした瞬
間に学生の表情が変わり、演奏に至っては聴衆の誰もが大満足の内容であったと考えている。
音楽祭の翌日は、演奏家と島の子供たち、鹿児島国際大学の学生と島なび学生隊の学生が交流
する機会をつくり、最終日には民宿くちのえらぶでミニコンサートを開催し、大いに盛り上がった。
島なび学生隊による会場設営 第1回ひょうたんじま音楽祭
学生と演奏家による共演 オーボエ独奏
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学生によるオペラ演奏家と学生と島の子どもたちによる合唱
民宿くちのえらぶでのミニコンサート台風の影響で結局は往復チャーター船
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9.ワークショップ(口永良部島/本村公民館)
【平成22年9月7日~9月8日】
島根県・海士町の株式会社巡りの環・代表取締役の阿部裕志氏
によるワークショップを実施した。
ワークショップに先立って、島民や学生から合宿の様子やホー
ムステイに関する聞き取り調査を行ったうえで、主催者と本事業に
関する今後の取り組み方に対する意見交換を行った。
海士町は、近年まで少子高齢化が進む典型的な離島であった
が、ここ数年でI ターン者が200 名を超えている。その海士町でI
目的 合宿の中間報告、ホームステイの方法を島民と協議し方針を決定
内容 ・講師と共にホームステイ先からの聞き取り調査と意見交換
・民宿くちのえらぶでのミニコンサートでの島民との交流
・学生との面談と意見交換
・本村公民館でのワールドカフェ形式によるワークショップ開催
成果 ・ホームステイという課題を島民と共に考える機会ができた。
(個人では理解できていることを全体で共有することが重要である。)
・島民と学生が第三者の視点を取り入れて自由な意見交換ができた。
(普段は発言できない人間も参加することで、責任感が生まれる。)
課題 事業者と講師、講師と島民、学生との対話時間の確保が必要
(一定の成果を挙げるためには目標を共有しておくことが重要である。)
対策島でよくある会議のように、特定の人だけが発言したり、1つの意見に議
論が集中して話しが進まない状況を作らずに、多くの関係者が1つの課
題に対して意見交換を行い、合意形成を図る1つの方法として活用する。
ターンとして起業した阿部氏が中心となり、離島での学生の受け入れの方法や学生の島民との関わ
り方、事業化の方法について話し合う場を設けた。
【講師プロフィール】
阿部裕志氏
株式会社巡の輪代表取締役。
1978 年愛媛県新居浜市生まれ。10歳で愛知県春日井市に引っ越し、その後愛知県立旭丘高校に通
う。京都大学大学院 工学研究科 修士課程修了。チタン合金の研究をする。
在学中は「自給自足できるようになること」を目標として、アウトドアサークルと有機農業研究会に所属。
大自然の雄大さ、命のありがたみを学ぶ。また、国内海外を自転車やバックパッカーとし
世界に誇るモノ作りを学びたくトヨタ自動車に入社。生産技術分野で、レクサス等新車種の立ち上げ
業務のコーディネートに携わる。しかし大量生産・大量消費の現代社会に疑問を抱き、入社4 年目で
退社。 その後、島根県隠岐島にある海士町にて株式会社巡の環を友人と3 名で立ち上げた。
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○ワールドカフェとは
カフェで会話をするように、自由な雰囲気を醸成する工夫により、参加者が気軽な気持ちで話し合
いを行う形式のこと。参加者の主体性や創造性を高める話し合いを行うための要素を抽出し、様々な
主体間での関係性づくりや合意形成などのための話し合いの手法。
・自由な雰囲気の中で、テーマに集中した対話
・意見を否定せず尊重するという安全な場で、互いのつながりを意識
・参加者による少人数での話し合いでは組み合わせを変えながら、4~5人単位で話し合う
○講師による助言と指導のポイント
・実践的な社会変革につながるアクション&プロジェクトの創出
・地域課題に根ざした社会的活動と共にある次世代リーダーの育成
・地域と都市が循環的につながり合う、支え合う、持続的な社会の構築
○ワークショップで得られたホームステイに関する結論
・島民と学生の双方の個性や参加の目的及び予定などの情報の共有が重要
・島なび学生隊全体の活動と個人の活動の事前の調整が必要
・規則や条件などをあらかじめ決めておく
○今後の対策
今後とも島内でワールドカフェ形式による会合を続けるとすれば、1つのグループに1人は議事の
進行を取りまとめる人間(コーディネーター)が必要で、全体をまとめるリーダーの役割が重要。
○学生からの意見
・運営側からホームステイ先の候補が提示され、学生が選択して、運営側が調整する形が安心。
・ホームステイに入ったら、日程が終わるまでその家庭の都合に合わせる。
・全体のイベントが多すぎる。時間・日程を始めにはっきりさせてほしい。
・フェリーよりも前に全体のスケジュールがわかっていれば、議論もできた。
・運営側と学生とで話し合い、内容を固めた上で島に入ると進みやすい。
・島民のプロフィールもあると学生にとっていい。
・お膳立てをしてくれると思っていたところでギャップがあった。
・自由度を上げるなら、どこまで学生に権限を与えてくれるのか、明確にしてほしい。
・担当は振られたが、権限は委譲されていなかった。
・プログラム作りから関わった方がスムーズなのでは。
・事業者の考えていることが島民に伝わっていなかった。
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○講師の意見
海士町の場合、しおりをつくり、キーマンの紹介もしているが、それを専門の仕事にしているからで
きる。代表理事の場合、他の仕事と兼業なので、それは難しい。
学生の主体性を上げたいというポイント。島民に迷惑がかかっても、それでも島民が協力しようとし
てくれて互いに上がっていくことを目指しているのでは。
○島民からの意見
・学生はしたいことを明確にすべき
・仕事ができるのか(能力)がわからない
・なるべく長い期間いてほしい
・ホームステイのときは女性や子どもの許可も必要
・1家族として預かる、いつでも帰ってこい
・くそめんどくせい、温度が違う、これからと思えばさようなら、片思いの恋みたい
・夕食の時間があいまい、時間を守ってほしい
・家庭の要望に沿って一生懸命仕事をすることが大事
・学生たちでもルールを決めた方がよい
【質疑応答の一部】
(島民)特産品は昔からあったか?
(講師)あった。それを売る手伝いをしており、島内で売るよりも高く買い、さらに付加価値を付けて島
外へ売り出す。
(島民)特産品は口永良部島にもあるが、加工するための施設が必要、マンパワーがない。
畑で採れたじゃがいもなどに付加価値をつけるにはどうすればよいのか?
(講師)海士町の場合は、人とのつながりを大切にしている。例えば、月に5kg の米を買ってくれる年
間契約を交わしてくれる人を身近に探す。家族、友人、海士町に来てくれた人など、そこに季節の野
菜も送ってみる。
(島民)島外に島の物を売るためのサイトはできているが、品物を十分に用意することが難しい。余っ
たものを売るのでは、何がいつ余るか予測をつけられない。
(講師)外とのつながりをとにかくどんどんつくること。余ったときでいいから口永良部島の野菜が欲し
いと言ってくれる人を捕まえる。海士町の場合、できたときでいいから野菜を送って欲しいという京都
の店がある。その先につながれそうなお店をいくつか作る。
10 人いたらその後ろに100 人の人がいると考えた方が良い。島外から来てくれる人をとにかく大切に
36
する、つながりをつくる。
(島民)阿部さんがせっかく話をしてくれても、自分たちに余力がないので先に進めない。阿部さんの
ような専門集団が来て事業を起こしてくれない限り難しい。魚が多いと言われているが、生活でいっ
ぱいいっぱいで島外に売り出せていない。屋久島町でありながら、行政は島にいない。人が少なすぎ
る。
(島民)口永良部島の大きな問題は、若手不足、仕事を分散させることで余力を生む、住宅不足、若
者が移り住んでこられるための家がない。
(講師)通年で人不足な部分、季節によって人不足な部分とを分けて、派遣の人材を呼べる可能性は
あるかもしれない。
(山地)阿部さんは、島にあるものを島民と一緒に考えて少し手を貸して島外に売り出すということをし
ている。口永良部島でも、学生と島民とが協力してやりたいと思っていることが少しでもできればい
い。
(島民)学生は、ただ通り過ぎるだけではなく、5年~10年後に帰ってきてほしい。
(島民)とにかく若い人が必要、人が増えれば知恵も集まり自然と物事が回るようになる。
仕事よりもまず家が先、若い人が入ってきやすい雰囲気づくりが重要。
(講師)海士町でも家が足りておらず、4人で共同生活を送るなどしている。実際に人が来ると、仕事
がなくて困ることも多い。
(島民)Iターン者が多い理由は?
(講師)これからの日本社会のモデルをつくろうという志が高いため。都会の暮らしに違和感を覚える
人、人と自然とが良い距離感で暮らせる場所を探している人。最低限の稼ぎができて子育ても老後も
安心して暮らせる場所として大々的に宣伝しているわけではなく、口コミで広がっているので、1人1
人と正直に向き合うことが大事。
(島民)職業は何があるのか?
(講師)行政から助成金をもらって研修をしに来る人、漁業の始めの2 年間補助をしてもらえる制度を
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利用する人、土建など。
(島民)起業した人は?
(講師)Iターンで起業したのは自分たち3 人だけ。民宿に就職し、干しナマコを中国に売る事業で起
業した人もいる。基本的には、地元の人に協力してもらって何かをする。
(島民)海士町の場合、堺港が近く魚を島外に売りやすい流通環境が整っている。
(講師)来た人が自由に出入りできる場所を海士町が提供してくれていたことは大きい。
(島民)入ってきた人が自由に出入りでき、家事、炊事も自分たちでやりながら夢を語り合える広い家
が1 軒あれば良い。若い人がいつでも入れるという体制づくりが必要。
(講師)大事なのは一緒に悩むということ。
ワールドカフェ形式でのワークショップ
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10.島内成果報告(口永良部島/本村公民館)
【平成22年9月13日~9月15日】
合宿の事前研修を依頼した高橋氏に来島してもらい、合宿の成果のとりまとめたうえで、
島民に対する成果報告会を開催し、学生が描く未来予想図について意見交換を実施した。
目的島内で合宿の成果報告を発表し、島民からの意見や感想を聞いたうえ
で、島外での成果報告会や報告書のまとめ作業へ反映させる。
内容 ・講師と共に島民から合宿の成果と課題の聞き取り調査
・成果報告の発表に関する講師と事業実施者との協議
・成果報告会の会場確保以外は概ね学生が調整する
・学生個人での発表と島民との質疑応答
(補足)
学生が事前研修で作成した企画書をもとに、夏合宿で得た知識や経験及び島での体験をもとに、
成果報告(未来予想図)を発表したが、講師の指導により単なるアイデア発表ではなく、自分たちの
今後の島との関わり方や大学生活にどう活かすかという観点を重視することにより、島民にもわかり
やすい内容で具体的な意見交換を行うことができたことで、特にホームステイの実施方法や学生に
対する事前研修や島民との調整等については、今後の活動に活かすことができる。
ただ、発表に対する本事業の位置づけや意義を学生や島民に伝えることができなかったため、
やや学生のアイデア発表会になった傾向があり、島民としては純粋な感想を聞きたかったなどの意
見もあったため、成果報告会についての具体的なイメージを共有しておくことが重要。
島内成果報告会
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(学生が描く未来予想図の概要)
【口永良部島におけるネイチャーガイド】
<未来予想図>
・学生が島のパンフレットやHP の作成
・セミナーやフェア等の機会を利用して学生が口永良部島のプロモーションを図る
<具体的な解決方法>
・外部の人間の移住
・行政による金銭的補助
・島の魅力(観光のインフラ、コンテンツ)の確立
<個人的な関わり方>
・口永良部島にて昆虫採集により、島の昆虫図鑑の作成
・今回撮影した写真をGoogleMap の写真に投稿し情報提供
【コミュニティバス】
<未来予想図>
・バスに島でとれる生産物を載せて商店としての役割を果たす
・島で育った牛も魚も野菜も島の方々が自由に買える
<ロードマップ>
部外者がビジネスモデルを確立できるはずもないし、そんなことが行われてはいけない。私たちにこ
れ以上何ができるのだろうか。何かを始めるときに、実際に行動するのは島民なのである。
<個人的な関わり方>
島の人や島を好きになること。その上で自分の思ったことを島の人に伝えることだけだということが
わかった。私たちにできることは、またの機会に必ず島を訪れること。
【島を舞台にした芸能】
<未来予想図>
伝統芸能を含んだ舞台、祭りを行うこと
<考察>
口永良部島にどのような伝統芸能があるのかを、文献と聞き取り調査とで調べた。
<結果>
・口永良部島で生まれた特有の伝統芸能は継承されていない。
・口永良部島は移住者で形成された島であり、鹿児島県谷山から入ってきた棒踊り、奄美大島か
ら入ってきた八月踊りなどが主な芸能、祭りであった。
<課題>
・様々な祭り、歌があったが、人口の減少と共に継承されることなく消えていった。
・現在残っているのは鹿児島県本土で盛んな棒踊り、日の本踊りのみ。
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(人口減少により年齢の制限をなくし、小・中学生が参加してやっと人数を合わせている状態)
<ロードマップ>
口永良部島で舞台を行う場合、現在も残っているこの2 つの芸能を組み込む形になるであろうが、
島民の中で伝統芸能を継承したいという強い意志もあまり見られず、難しいだろう。
【島の写真展】
<個人的な関わり方>
・写真を公民館や学校などの人の目につきやすいところに展示
・写真をつかっての観光マップの作成
<ロードマップ>
・東京組のメンバーは比較的集まりやすいのでパンフレットづくりなどで協力できる
【移住者用ホームページ作成】
<未来予想図>
公式のホームページではなく学生が主体となって発信する。
<ロードマップ>
口永良部島のように地理的、資源的に決定打となるものがない活性化の必要性を検証
【鹿の観光資源化プロジェクト】
<未来予想図>
やっかいものの「鹿(資源)」をハンティングする。
<ロードマップ>
日常の中で問題を解決していくことがなにより大事である。
<個人的な関わり方>
半年島に住み卒論を書く予定だが、島の生活が織り込まれている論文を書きたい。
【大学生による海岸清掃】
<未来予想図>
ゲストハウスをつくりバックパッカーを呼び込む
<根拠>
・一般の観光客よりも比較的時間の融通が利くバックパッカーをターゲットとすることで、口永良部
島に気軽に立ち寄ってもらい、気に入ってもらえれば長期滞在をも見込める。
・バックパッカーとして島を訪れた人が、島の人のお手伝いをしながら滞在することで、旅行者自
身の旅の満足度の向上になるとともに島の活性化にもつながる。
<個人的な関わり方>
何のスキルも無い私のような学生がお手伝いできることはあまり無い。
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<理由>
島民の方々は観光客が大幅に増えることで観光地化することを望んでいない。
(知らない人が島に入ってくることで今と同じような生活が送れなくなることが不安)
【自然放牧牛】
<背景>
なぜ畜産が衰退してきているのかを聞き、島の畜産が抱える問題について考えたい。
<考察>
放牧アドバイザーの方の勉強会の際、外部から見た島の畜産と、実際にそこで働く人との考えに大
きく差があることが気になり、今更新しい畜産方法を取り入れる気はあまり感じられなかった。
<個人的な関わり方>
口蹄疫の問題を少し含めつつ一消費者として食の安全や安心とは何かを考え、メディア(地元の新
聞社で)を使ってこの活動を紹介し、学んだことを伝えていきたい。牛をブランド化するなどあるが、
様々なことが複雑に関係しているらしく、容易ではない。
【口永良部島の海を題材にした観光】
<未来予想図>
釣り客を呼び込む釣りツアーを行うことによって、島に観光客を増やす。
<現状>
・9 月1 日に伊勢エビ漁が解禁
・伊勢えびには3種類あり、島の人はアカ・ブチ・アオ
<課題>
・漁獲した魚を屋久島まで輸送するための油代がかかる。
・輸送に必要な油、氷も口永良部で購入できないため屋久島に買いに行かなければならない
・島内での需要がない
・釣りツアーとしては屋久島で事足りている。
<考察>
・油、氷のコストに関しては如何ともしがたい。
・屋久島から口永良部近海に釣りに来ればよい。
<提案>
・屋久島に来ている観光客をエビ漁見学ツアーを組む
・伊勢えびは金さえ出せば全国どこでも食べることができる・・・そこで、差別化
<ロードマップ>
・マリンレジャーの要素を取り入れる→ライフジャケットをつけ、海に浮かびながら漁を見学する。
・エビ漁だけでなくいろいろ盛り込む→魚突き、夜光貝、
・サザエの採取も見学できる。漁師のスゴ技を間近に見られる。
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・お得感を出す→伊勢えび、魚、貝など、豊富な海産物を安い値段で食べることができる。
・何よりも口永良部の綺麗な海に浮かび、実際に漁を見学することが貴重な体験になる。
・屋久島の観光客を呼びこみたいので、屋久島の民宿との連携をとる必要がある。
<個人的な関わり方>
漁師さんとこれからも付き合いを続けて、企画書を実現できるように努力する。
【ガイドマップの英訳】
<背景>
カナダ留学の経験を活かして鹿児島の魅力を海外に紹介したい。
<未来予想図>
外国人の観光客に対してホームページなど英語で情報発信する。
<考察>
・民宿で実際に仕事をして感じたのは、外国人観光客が島を訪れた場合の受け皿がない。
・日本語を話せない場合が島民の方々の負担になってしまう。
<個人的な関わり方>
将来的には協力してマップ作りに取り組んでいきたいと考えている。
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島の歴史を語ってくれた百さん 音楽祭を盛り上げた健さん 寝待温泉作業の仕掛け人
台風の中船を出してくれたカットさん おすそ分けをくれたほづみさんみっちり鍛えてくれた夫婦
島の長老にも世話になったご馳走を振舞う画伯 たくさんの学生がホームステイ
昔の話しをしてくれたジツ子ばい 海のターザン港まで島民が見送り
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第4章 成果報告
1.ふるさと回帰フェア (早稲田大学)
【平成22年9月23日】
夏合宿の成果の報告と口永良部島の広報を兼ねて、東京でのイベントに学生が参加した。
目的 夏合宿の成果を学生自身が取りまとめて都市部で発信する。
方法 鹿児島県ブースの一部で島なび学生隊と口永良部島を紹介
内容 ・参加市町村ごとに20 分間プレゼン
・テーマ
より良い島生活を送るためには~口永良部島での生活を通して~
・項目
口永良部島とは?/島なび学生隊とは?/島なび学生隊2010 夏合宿
/島での研修・体験したこと/島の生活、一問一答!/若手島民による
意見・島の問題点/島なび学生隊の結論(まとめ)
成果 ・島外での口永良部島の認知度が低いため、逆に興味や関心が高い。
(都市住民の多くは誰も知らない地域や活動に関心がある。)
課題 ・ブースでの発表や展示は場所が確保されずほとんどできなかった。
(主催者や共催者と実施の内容や目的を事前に調整する必要がある。)
・移住や交流のイベントにおける学生の役割を明確にできなかった。
(宣伝効果は高いが、移住へ踏み出すだけの説得力は学生にない。)
島なび学生隊の活動を広く周知させると共に、島外の人々に口永良部島への関心を高めてもらう
ため、夏合宿へ参加した学生が、合宿の成果報告と島の広報を行う。学生による成果報告について
は、一般的な行政職員の説明ではなく、学生の視点や発想からの報告となったことが、参加者から
の声「プレゼン内容に新鮮さを感じた。」に現れていた。
しかしながら、成果報告をしたほとんどのイベントは、事業開始当初から決まっていたものではなか
ったために、次年度ではあらかじめ鹿児島県や屋久島町とも情報交換を密に行い、実施の方法を検
討していく必要がある。
鹿児島県のブース内 学生によるプレゼン
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2.近畿屋久島会定時総会 (大阪市/道頓堀ホテル)
【平成22年11月21日】
屋久島のOB会に対して、島なび学生隊を広報することにより、今後の連携や支援につなげ
るために、へきんこの会の代表理事が屋久島町長の紹介を受けて、来賓として参加した。
目的 島なび学生隊の活動と口永良部島の現状を報告を行う。
方法 屋久島町町長の紹介により近畿屋久島会から来賓として招待
内容 ・町長挨拶
口永良部島の紹介
・来賓挨拶(山地)
島なび学生隊の紹介
・交流会
事務局を中心に今後の連携を協議
成果 ・屋久島町長、近畿屋久島会事務局長による広報活動への協力を得た。
(町長が事務局につなぎ、事務局は総会での広報の場を提供した。)
・多くの屋久島OBに口永良部島での活動を認識して頂いた。
(「困ったことがあれば協力する。」といった前向きな意見が多くあった。)
島なび応援隊としての協力や支援を要請するための事前準備として、口永良部島への関心が高く、
今後の連携先として有力な組織に対して、広報を行い多くの関係者に周知できたことは成果である
が、島民が参加できなかったことや夏合宿の成果報告書やチラシを持参できなかった点においては、
準備不足があった。今後は、こういった連携先に対して継続的な情報の提供や交換の機会を維持し
ながら、具体的な協力関係を構築するための仕組みづくりに取り組む。
近畿屋久島会定時総会でのPR
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3.しまのがっこう (東京都/3331Arts Chiyoda)
【平成22年11月22日】
東京在住の離島に関心のある一般人に対して島なび学生隊の広報を実施した。
目的 島なび学生隊の活動報告と他の離島関係者との連携体制を構築する。
方法 かごしま・島交流の会との共同開催/JOIN(移住交流推進機構)の協力
内容 ・口永良部島の地理、歴史、経済など
・島なび学生隊の活動報告
・口永良部島の写真を展示
・口永良部島と屋久島の特産品の試食と試飲
・離島振興に関する意見交換
成果 ・都内の社会人や他の離島関係者との連携先を確保
(メーリングリストへの登録などにより情報の受発信先を拡充した。)
・JOIN の協力により都内のイベントスペースを確保できた。
(情報発信拠点として都内の場所を確保できることの意味は大きい。)
課題 島民や学生との調整がつかず、主催者が1名参加する結果となった。
(事務局が機能しておらず、集客も独自ではできなかった。)
かごしま・島交流の会との連携により、10名ほどの集客ができたが、日程や会場の確保
から集客までの過程で、各団体や企業との協力体制を十分に撮ることができなかったが、
これを機会に都市部の企業や団体との連携により、口永良部島の情報発信の拠点を都内に構築す
ると共に、人的な連携体制を強化することにより、広報や営業に係る労力や資本を省力化する。
しまのがっこうでの講義 特産物の紹介
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4.アイランダー2010 (東京都/池袋サンシャイン)
【平成22年11月27日~11月28日】
毎年開かれている離島の1大イベント会場において島なび学生隊の広報を実施した。
目的 島民と学生による島なび学生隊の活動と口永良部島の広報を行う。
方法 熊毛広域市町村圏協議会と屋久島町役場の共同ブースでの広報を実施
内容 ・島なび学生隊の活動報告
・口永良部島への移住広報
・しまのがっこうでの交流
・他の離島関係者との情報交換
成果 ・口永良部島の周辺離島との交流を図った。
(島の活動を広報することを通じて、互いの情報を効果的に共有した。)
・来島希望者を数人確保した。
(後日に映像を撮る団体が7名ほど来島した。)
・島民と学生による積極的な広報活動は評価を得た。
(学生が広報で活躍する姿を見て、関係者は存在意義を実感した。)
課題 ・具体的な協力の要請や支援者への広報ができなかった。
(単なる広報ではなく、対象と目的を絞り込んで実施すべき。)
・会場アンケートの実施や関係者との情報交換ができなかった。
(広報の手法を工夫して、まずは関係性を持つことから始めたい。)
対策 熊毛地域や屋久島町との連携により集客力の向上などが期待できる
(主催者のアンケートによると屋久島町の広報に対する印象が薄い。)
ブースで島民が熱弁
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5.かごしま・よかとこよかもん市in中央駅一番街 (鹿児島市内)
【平成22年12月4~12月5日】
鹿児島まち自慢快発考舎や鹿児島商工会連合会との連携により、新幹線全線開業イベント
へ出展を行い、学生を中心に特産品の試食等を通じて鹿児島市内の住民に広報を実施した。
目的 島民と学生による島なび学生隊の活動と口永良部島の広報を行う。
方法 鹿児島まち自慢快発考舎からの招待
内容 ・島なび学生隊の活動報告
・口永良部島の島みかんの試食、伊勢海老の展示
・屋久島と枕崎のNPO法人との共同出店
成果 ・鹿児島市内の住民への広報
・主催者や商工会連合会との関係を構築
課題 ・具体的な協力の要請や支援者への広報ができなかった。
(単なる広報ではなく、対象と目的を絞り込んで実施すべき。)
・特産品や展示物の確保ができなかった。
(広報の手法を工夫して、まずは関係性を持つことから始めたい。)
対策 企画段階から参画することで、主催者との事前の打合せが必要である。
(主催者側の趣旨や目的及び集客の対象や多寡などを見極めるため。)
島なび学生隊の成果報告と島の紹介 特産物の伊勢海老
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6.鹿児島大学稲盛アカデミー講義 (鹿児島大学)
【平成22年12月9日】
代表理事の山地が鹿児島大学の稲盛アカデミー教授の依頼を受けて、地域活性化をテーマに島な
び学生隊の事業の位置づけや成果と課題を踏まえた今後の展望について、講義を行った。
目的 口永良部島における島なび学生隊に対する大学生との意見交換
方法 鹿児島大学教授の依頼により講義の1コマで説明
内容 ・へきんこの会の設立経緯
・島なび学生隊の活動報告
・口永良部島の現状と島民の声
・今後の活動方針
成果 ・離島に対する学生の視点や意見を講義から汲み取る。
( 多くの学生は離島の状況や島民の感情に対する推察が難しい。)
・大学教授から大学生への指導方法や組織論を指導頂く。
( 学生に対する抽象論や感情論はあまり通用しない。)
課題 現実的な課題に対する方法論を伝えることができない。
( どうすれば食べていけるのか?などの具体的な行動について。)
対策 講義の1コマで終わらせない、継続的な意見交換の場が必要である。
(講義→実践→検証といった仕組みを構築することが重要である。)
【学生の意見(一部抜粋)】
・何をするか?(what)の視点以上に、どのようにするか?(how)の視点の重要性を感じた。
・山地さん自身が島民であるという、内なる視点になってしまうので、他の島民を、ハッとさせること
は難しいかもしれないと感じた。ゆえに、外部からの新鮮な視点の重要性を感じた。
・そもそも『活性化』とは何なのか?ということを、改めて考えさせられた。
・牛の放牧に対するシカの問題(牧場の牧草地や畑の飼料作物を鹿が食べる食害など)は深刻。
・地元に行き、地域の方々の声を聞き、問題点を探り、そこから解決の努力をすればいいと今まで
は考えていた。しかし、必ずしもそうではないことも多々あることがわかった。
・変革をしていくうえでは、最初に人々の危機意識があることが不可欠。でも、『今のままでもいい』と
言っている人が結構いるということを知り、単なる組織変革の問題では片付けられないと思った。
・まず、自分が自ら島へ行って、島民の意見を聞く必要があると思った。
・口永良部の『文化』が気になった。必ず、only one のものがあると思う。
・私たちや山地さんの案を実行していく、というのではなく、島民自らが何かを欲するのを私たち
がサポートする、ということだと思います。そういう案を創るべきではないでしょうか。
・まずは、島民の意思を同じベクトルへ向けて、自発を促すことが大事ではと感じた。
・口永良部のことを調べていくうちに、魅力を感じてきた。そう感じる人は多いと思う。なので、まず『知
らしめる努力』が大切。屋久島の観光ガイドに乗っかって、宣伝すればいいのではないか。
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第5章 島なび応援隊
1.実施目的
島なび学生隊の趣旨に賛同し、その取り組みを応援したい企業や大学の他、積極的に協力する意
志のある個人及び団体に対して、本事業の終了後も活動を継続し発展させるため、島の内外からの
側面的な支援により、当社及び本事業の自立的な運営を行うことを目的とする。
当法人が運営する島なび学生隊の活動について、下記に関する支援等を行う。
1.住居や車両などの一時使用
2.食材や備品などの提供
3.金銭や人員の提供
4.情報の受発信
5.その他
2.実施経過
島なび応援隊の組織化に関して、平成22年8月から平成23年1月まで以下の通り活動した。
【8月】 島内でのホームステイ受け入れ
島内の民宿等10件が住居の一時使用で、一部の島民からも食材提供で支援
【9月】 かごしま・島交流の会
ふるさと回帰フェアでの人員提供やしまのがっこうでの情報発信で支援
【10月】 NPO 法人屋久島移住ネットワーク緑の風
移住コンシュルジュ養成講座への参加を通じた屋久島での情報発信で協力
【11月】 近畿屋久島会
定時総会での屋久島OB 会への情報発信で協力
【12月】 鹿児島まち自慢快発考舎
九州新幹線全線開業イベントでの情報発信で協力
【1月】 一般財団法人ジャストギビングジャパン
口永良部島に縁のある人を募集するための寄付に関する情報発信の支援
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3.実施結果
本事業を通じて、島内でのホームステイに係る住居の一時使用や島外での情報の発信に関する協
力体制を構築した。情報発信における協力に関する成果は、下記のとおりです。
1.かごしま・島交流の会(しまのがっこうHP)
http://shimakouryu.seesaa.net/article/160664891.html
2.鹿児島いきいき交流居住推進協議会(鹿児島県交流居住移住支援サイト)
http://www.kagoshima-kurashi.net/chikidantai/kumage-area/post-11.html
3.一般財団法人ジャストギビングジャパンWEB(口永良部島に縁のある人を100 人集める)
http://justgiving.jp/c/1081
また、屋久島町役場や屋久島町議会との連携【資料9】により行政当局に対して口永良部島の情報
を発信することにより、政策等に関する意見交換の場ができたことで、今後は近畿屋久島会などの屋
久島OB会や行政との協力体制を構築するための基盤ができた。
一方で、本事業では島の内外で連携先を確保し、ゆるやかな組織化を確立したが、支援者や協力
者に対する規定や条件がなく、島外においてはWEB による情報発信での協力が中心となり、それら
に関する人、物、金、情報を一体的に管理する仕組みを構築するまでには至らなかったため、
それらの反省を踏まえてプロジェクトチーム化や法人化などの具体的な協力体制を検討する。
一般財団法人ジャストギビングジャパンWEB かごしま・島交流の会(しまのがっこう)WEB
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第6章 次年度計画
1.実施目的
本事業における島民の意見や学生の企画書をもとに未来予想図を整理したうえで、島民が主体的
に取り組むことができるロードマップを作成して課題の整理や目標の設定を行うと共に、それらの実
施体制等を口永良部島の内外の関係者と協議することにより、次年度の計画を策定する。
2.実施経過
工程 平成23年度内容
三島村役場 1 月13 日島なび学生隊の事業報告・次年度の島なび
応援隊に関する協議(鹿児島市内)
NPO 法人トカラインターフェイ
ス(十島村)
1 月13 日島なび学生隊の事業報告・次年度の島なび
応援隊に関する協議(鹿児島市内)
鹿児島ソーシャルビジネスイ
ンターンシップフェア2011
1 月28 日次年度の大学生受け入れ協議(NPO 法人
ネイチャリング・プロジェクト/鹿児島市内)
九州ニュービジネス協議会
(福岡市)
1 月29 日次年度の連携について協議(福岡市内)
西日本新聞社(福岡市) 1 月30 日事業に関する記事連載打合せ(福岡市内)
口永良部島活性事業組合・
口永良部島ガイド協会等
2 月7 日~
2 月11 日
次年度以降の連携体制打合せ(口永良部
島)
屋久島地域NPO 法人等 2 月17 日NPO 法人の連携組織の設立や活動支援に
向けた会合へ参加(鹿児島県熊毛支庁)
じゃらんリサーチセンター・株
式会社リクルート(東京都)
2 月22 日調査研究・集客支援に対する協議(東京都
内)
NPO 法人E TIC(東京都) 2 月22 日社会人インターン受け入れ協議(東京都内)
有限会社ルーツ(沖縄県) 2 月23 日離島人材育成プログラムに関する協議(東
京都内)
学校法人KT C学園( 屋久島
おおぞら高等学校)
2 月25 日通信制高校生に対する離島・自然体験プロ
グラムに関する協議(さいたま市内)
島の政策勉強会・第1回離島
振興法の改正議論
2 月26 日かごしま島交流の会・市民キャビネット農都
地域部会による共催(東京都内)
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3.実施結果
本事業を通じて、島民からは「山地だけには任せて置けない。」「独りで抱えずに私たちを頼りなさ
い。」などといった、事業の継続への積極的な関与や前向きな意見も聞かれる一方で、「島に学生を
呼ぶことに意味があるのか。」「学生よりも移住を希望する社会人に来て欲しい。」など、事業の趣旨
や効果に疑問を持つ島民もおり、継続的な活動により理解を深めていきたいと考えている。
ほとんどの島民は多くの仕事や家庭を抱えており、専業で取り組むことが難しいため、今後の運営
はへきんこの会の責任者1名以外に、少なくても1名の専任者を島外から採用する必要があり、次年
度計画を立案して実際に実施するためには、島外の協力体制を強化しなければならない。
そのため今年度は、鹿児島県内で同じような課題や目標を抱える周辺離島である、比較的規模は
大きいが屋久島や種子島、孤立小型離島と呼ばれる三島村・十島村の島々の他、鹿児島の離島へ
の拠点となる鹿児島市内のNPO 法人等と人材の募集や広報等に関する協議を行うと共に、
九州の玄関口である福岡市内で起業支援を行う大手企業の団体や新聞社、インターンで実績のある
東京のNPO 法人や地方の先進的な活動を行う企業とも人材等に関する連携を強化した。
また、島なび学生隊の学生のうち数人が次年度以降の島での活動を考えていて、大学の研究室や
NPO法人を含めた島なび学生隊以外で、今後も継続して島との関係を構築する動きがある。
以上から今後は、多様な主体からの来島者が増えることが想定されるため、情報発信や現場対応
の窓口を一本化するなどの対応が必要であることから、今後の課題を以下のとおり整理した。
【今後の課題】
① 島なび学生隊の運営体制の見直し
② 島なび学生隊の受け入れ体制の整理
③ 島なび学生隊以外の学生や大学の研究室の受け入れ体制の構築
④ 学生以外の定住・就業希望者の受け入れ体制の構築
⑤ へきんこの会の運営体制の見直し
上記を踏まえて、ロードマップ(次年度以降の行動計画)を以下のとおり作成した。
【今後の計画】
① 口永良部島移住交流推進協議会(仮称)の設立
② 島民リストの作成(ホームステイを始めとする来島者の受け入れ先やその条件を整理)
③ 大学の研究室との調査研究
④ 定住・就業希望者に対する情報発信
⑤ 離島での実践的な能力を有する人材の育成
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本事業の成果と課題を踏まえて、下記のような口永良部島の未来予想図(ビジョン)を作成した。
今後は、島の内外での協力体制を強化することにより、来島者への柔軟性のある対応と効率的な
運営を行うため、島内では本事業でホームステイの受け入れを行った島民を中心とする口永良部島
移住交流推進協議会(仮称)を設立し、へきんこの会との役割分担を明確にしていきたい。
へきんこの会は口永良部島を拠点に来島者の調整や研修等を島外の企業や大学等と連携して行
うための窓口となり、継続して島なび学生隊を運営すると共に、社会人を対象にした中長期的な合宿
や研修を行うひょうたんじまキャンプ(仮称)やひょうたんじまプロジェクト(仮称)と称する地域の課題
解決や人材育成を目的とした新規事業を口永良部島移住交流推進協議会(仮称)と協力して行うこ
とにより、本事業で学生が描いた未来予想図やロードマップを具体的な形にする。
へきんこの会の活動の理念や事業の方向性は基本的に島民と同じと考えており、以上のような活
動で交流人口を増やしながら経済活動を活発化させると共に、それらの活動を通じて移住を希望す
る人の中でも、離島で自立的な生活ができる実践的な能力を有する人材を確保していきたい。
55
今後の具体的な行動計画を下記のとおり考えている。本事業は結果的に島民にとってはホームス
テイ(共同生活)、学生はスタディツアー(研修旅行)の位置づけで、それらをへきんこの会がほぼ単
独でプロデュース(企画)しコーディネート(運営)したことになる。
次年度以降の島なび学生隊は、本事業の結果を踏まえて自主事業として実施する一方で、島民が
強く希望する移住を前提とするような社会人を対象にしたひょうたんじまキャンプ(仮称)を島なび学
生隊が主に島内で活動する夏季や冬季を除いた期間で実施したい。
ひょうたんじまキャンプ(仮称)では、へきんこの会が企画する体験・交流・教育プログラムを事業化
するためのひょうたんじまプロジェクト(仮称)に社会人が携わることにより、学生に対する教育事業と
社会人を対象にした人材育成事業を並行して実施していく。
初年度はへきんこの会が中心となり企画を運営し、その道筋をある程度つけたうえで次年度以降
は事業を島内に移管し、それをへきんこの会と島外の組織が側面的に支援する形を基本にして、口
永良部島移住交流推進協議会(仮称)が自立的に活動ができることを前提に、島の新しい産業と雇
用を創出する仕組みを確立することにより、離島における先導的な役割を果たしていく。
56
4.その他
本事業と平行して口永良部島で実施した財団法人日本離島センター助成事業・平成22年度離島
人材育成基金助成事業「一度は行ってみたい口永良部島を体験する交流事業」(実施主体:口永良
部島ひょうたんじまプロジェクト)について、その概略を下記のとおりまとめた。
【経緯】
平成22年5月に採択された財団法人日本離島センターの助成事業と本事業を明確に区分したうえ
で、本事業を妨げることなく相乗効果を生み出すことを前提に双方の事業を実施した。
【概要】
平成22年5月~8月までの期間は、主に口永良部島での体験事業プログラムの開発のための資
源調査を行い、9月に文化交流プログラムの実証事業として第1回ひょうたんじま音楽祭を開催、10
月以降は資源調査の内容を整理したうえで体験事業を実施すると共に、地域資源を活用するための
調査や島の語り部や伝説についての聞き取り調査、城跡の捜索などを映像として記録した。
2月には屋久島の吉田地区での里のエコツアーへ参加し、屋久島の島民との交流や観光の専門家
との意見交換を行い、今後の口永良部島と屋久島との交流や連携に弾みがついた。
【方法】
本事業の活動は、口永良部島ひょうたんじまプロジェクト+島民という広い括りで行い、個々の島民
と直接やりとりをしながら、体験事業や調査研究に関するプログラムの企画や検証を行った。
また、本事業への参加者は広く一般から募り、多様な主体の参加により、プログラムを開発した。
【内容】
本事業の来島者は、鹿児島から屋久島を経由して口永良部島まではできる限りフェリーを利用。添
乗員の資格を有する(添乗員ではない)口永良部島ひょうたんじまプロジェクト代表の山地が同行し、
来島者に船旅をゆっくり楽しんでもらいながら、船内での事業の趣旨や島の様子などを説明。来島者
の希望を反映したうえで、離島ならではの柔軟性のある体験交流プログラムを実施した。
【成果】
国土交通省の調査事業と平行しての実施は難しい局面もあったが、総じて関係者の前向きな助言
と島民の積極的な協力により、体験プログラムの開発を行いながら交流を促進しつつ、地域資源の
発掘や調査研究を行うことで、次年度以降に事業を展開するための基盤を構築した。
【次年度計画】
今回得られた意見や情報を整理したうえで、ひょうたんじまキャンプ(仮称)を通年で実施するため
の受け皿として、口永良部島移住交流推進協議会(仮称)を設立し、島内の企業や団体、個人の情
報を公開して、独自のプログラムを企画し、島の内外へ広く周知すると共に、残る課題については、
外部の有識者や学生と共にひょうたんじまプロジェクトとして解決を図る。
次年度は、へきんこの会と口永良部島移住交流推進協議会(仮称)が連携し、①体験交流プログラ
ム、②課題解決プロジェクト、③人材育成の3本柱を基軸に、当面の目標としている産業と雇用の創
出により、1人でも多くの定住者を確保していく方針である。
57
第7章 総括
本事業における大学生の役割を一言で表現するならば、触媒機能である。島民や行政とは異なる
立場、すなわち地域に対する「しがらみ」のない人間による「無責任」な提案を行うことにあり、その
「無責任」な提案は、通りすがりの学生の一言であれば何の効果や成果も生まないが、それを1つの
目的とした事業を通じて、島民と学生が共に取り組んだ結果として提案を行うことによって、島民に対
する刺激にもなり、あきらめやしがらみから少し開放されたり、負けん気やおせっかいな気持ちが生じ
ることで、今までとは違った感情や行動につながる可能性が広がると考えている。
しかしながら、現代の大学生の多くは無責任な提案ができない。その理由として、第一に特に都市
の大学生の多くは、豊富な情報や知識にわずかばかりの「現場」を経験しているからである。
近頃は、情報媒体が多様化すると共にインターンシップ(職業体験)やボランティア活動の他、地域
貢献や環境保全及び自然保護に関するイベントやセミナーなどが頻繁に開催され、そこに集う学生
は情報の収集や発信に対する能力が高く、学生同士や同じ分野での「横のつながり」が強い。
一方で、彼らは「縦のつながり」に弱い。異なる地域、世代、分野、価値観の人間が存在する地域で
の生活や仕事の環境のほか、趣味や娯楽などにおける経験がほとんどないため、そのような状況に
置かれた場合に自分自身で判断や行動ができなくなり、多くの情報や共有する仲間、明確な道筋や
正確な答えを捜し求め、結果として本来の目的や目標を見失う。それらは、「別にそこまでしなくても
いいんじゃないの?」、「情報がないと動けないよ。」、「考え方が違うからできない。」「何がしたいの
かわからない。」といった言葉に象徴されるのだが、実のところ彼らが求める「答え」は、日本の田舎
や離島にはほとんど存在しないものであることを把握しておくことが重要である。田舎や離島で生活
する人々は社会一般が考えているほどは困っていないし、新聞は1日おきにしか届けられなければ、
ネットがつながらない、つながっても使いこなせない。昔から住む老人もいれば、最近引っ越してきた
家族もいて、旅行気分で滞在する若者もいる中で、日々の生活や地域の行事を協力して行わなけれ
ばならないし、役場もなければ議員もいない中で、住民だけで何から手をつければいいのかわからな
い。その環境で彼らは、触媒機能を果たすことができない。
第二の理由として、特に地方の大学生の多くは「現場」をほとんど経験していない。情報や知識は
都市と比べても遜色ない環境にあるため豊富に持ち合わせているものの、それを実践する場、インタ
ーンシップ先は大企業か役所ばかり、いくつかあるイベントも単発で小規模、セミナーは流行の自己
啓発ばかりと、彼らを取り巻く地方の環境は厳しい。そのため、「何をすればいいのかわからない。」、
「他の人はどのように考えているのか。」、「そんなことは言われていない。」となり、
そんな彼らが自らの考えを他人に伝えるばかりか、他人のあるべき姿について提案はできない。
かなり強引にこの2つに学生を更に分類するならば、目的のない自分探し型、目標のある自己実現
型、見たい知りたい観光型、楽しみたい娯楽型といった個々の学生を1つの組織とすることで、
それぞれの学生にとって、自分との向き合い方や他者との関わり方、物事の捉え方や生き方などの
面での相乗効果が期待できると共に、うまく融合させることにより大きな力になる可能性があり、
このことは事業の継続性や発展性につながるし、何より学生への教育効果を高めることができる。
58
島民との調整については、事前打合せの時間をほとんど確保できなかったことで、結果として精神
的には負担をかけたが、主催者の現在までの約3年間の活動実績や合宿終了後の事情説明や謝礼
及び謝罪の他、合宿の成果からある程度の満足感や充実感が得られたことも事実である。
しかしながら、今後とも本事業と同じ手法で実施するか又違う方法であってもその精神的負担を減
らすことは当然のこととして、労力や経済的負担についても同様の工夫が必要と考えている。
今回はホームステイは1つの手段でしかなかったが、実際には学生と島民共に満足度が高い反面
不満も多く出てきたことからも、極めて期待感のある高い選択肢であることがわかったため、その意
味ではホームステイの位置づけが非常に重要になる。ホームステイについては後述するが、今回の
位置づけは島民にとって「対価を得る仕事」とするための実証試験である。この位置づけを事前段階
で明確に伝えたうえで、理解してもらうことが大切であることが後で気がついた。なぜならば、島民の
それぞれがこのホームステイに対する位置づけが当然ながら違っていたからである。
1つの考え方として、島民も学生も共に負担感>満足感は「対価を得る仕事」、負担感<満足感は
「対価を払う仕事」であり、この大小により経済的な視点のみから言えば、金額の多寡が決まり、
その質がそれらの価値を高めることになる。従い、ホームステイを「対価を得る仕事」とするか「対価
を払う仕事」とするか、その金額の大小やサービスの質をどの水準に設定するかが重要である。
以上のことから考えた場合、ある一定の水準を主催者が決めたうえで実行することが通常であるが、
この島の「懐の深さ」を活かした仕事とした場合に、主催者がある一定の基準を示した上で、島民が
それぞれ異なる水準と内容を提示することにより、多彩な選択肢を広げることになるため、
学生にとっても選べる楽しさが満足度につながり、島民にとっても選ばれる責任が充実感に結びつく
ことで、ホームステイだけでなく事業全体としての質の向上が期待できる。
59
本事業での夏合宿は、結果としてへきんこの会の島内での役割を見定める上で重要であった。
ホームステイという1つの手法を自らの責任の下に実行したことで、それに対する合意形成を促すこ
とにより、それが新たな提案を生み出したことである。仮にこの提案が次年度も実行されるのならば、
非常に価値の高い事業であったと言える。なぜならば、今まで行政主導で行ってきた数ある政策の
中で、あるいは島民主導で行われてきた活動の中で、現在も続いているものがどれほどあるか、そ
れに対する費用や時間、労力に対する効果がどれほどかを考えた場合に明らかであり、
このことが本当に正しいのかどうかを本事業の委託者や運営委員及び役場など、あらゆる立場の
方々に客観的に評価頂いたうえで、次年度以降の実施の可否や方法を検討する考えである。
主催者としては、今回の合宿に限らずあらゆる場面で自主性や主体性を重視しており、私たちが目
標とする自然と共に人間らしく生きるために必要な固定観念や既成概念と向き合うときに非常に重要
な要素と考えている。それはすなわち、軸を定めて行動に移すことだと考えている。
学生について言えば、今の自分が置かれている立場や貫いてきた姿勢などは、現時点で当然なが
ら定まったものではないが、このことは人間が生きて成長する過程では生涯決まるものではないこと
から、「学生には決められない。」とは言えず、現時点での軸を定める努力が必要である。
この軸を定める努力により、ある一定の自分の物差しができて、他人はその物差しで判断できる。
このことはある意味では非常に恐いことだと考えていて、多くの人はそれを避けようとするために、
自らの考えを人に伝えたり、難しい問題に判断を下したり、新しい試みに挑戦することができない。
このことは島民に対しても同様で、本事業においてその軸は、島民自身の中に定めるものではなく、
自分たちの行動計画を定めることであると考えた。今までこのような議論は、数度と繰り返されてきて
いるが、今現在で誰が見てもわかる行動計画は存在せず、ただ行政の長期振興計画があるばかり
で、その必要性は認められるものの総論賛成各論反対といった具合が現状と考える。
そういった中で、本事業における合宿の位置づけは、上記を前提とした学生と島民が口永良部島と
いう舞台で、へきんこの会が抱く理想をどのように現実に変えるかという試金石であり、この理想の実
現に不可欠な島民の信頼をもとにした協力と学生の熱意ある参画が得られるかである。
口永良部島で新しいことをはじめることは容易でないという勝手な思い込みのもとに、大きな課題に
挑戦するにあたり、それぞれの持つ力を最大限活用するための合宿の運営を心がけた。
60
まず、船上会議は本事業において主催者が限られた発想から考え出した工程であるが、離島の歴
史や文化を考える上で、船は重要な位置づけにあることを本当は伝えたかったが、実際の運営にあ
たっては学生の意見にもあったように、単なる移動手段でしかなかったことが反省点であり、
この工程の目的としていた組織としての目標設定や規則作成、役割分担が徹底できなかった。
ただ、今回の反省点を踏まえて次年度以降は更にこの過程に注力して内容を充実させる考えである。
具体的には、他の離島や東京などの都市と連携して、海の歴史を辿りながら文化を学び、これから
の離島のあるべき姿を考えるセミナーやイベント及びワークショップを組み合わせることで、実務的に
は、この時点で島なび学生隊の組織図が明確になるような仕組みを取り入れたい。
次に事前研修に関して、本事業においてはここが一番重要な工程であったと考える。船上会議で、
事業の趣旨や目的などを学生に十分に理解させて組織としての目標を定めたうえで、各個人の目標
設定を事前研修で行う予定であったが、それにしてはあまりに時間と労力が不足した。
次年度以降はこの工程に時間と労力及び費用を割きたいと考えており、船上会議の前にできれば東
京などを拠点に事前研修の場を一定期間設けて、離島の課題解決と島民の活力再生につながるよ
うな人材像と将来像を作り上げる努力を、外部の人材育成に関わる団体等と連携したい。
このことにより、事業の円滑な運営を可能にすると共に、一定の効果や成果が期待できるため、これ
らの工程を充実させることで、離島の地域活性と学生の自己実現という壮大な課題に取り組むへき
んこの会独自の「主体性を活かす手法」がより洗練されていくものと考えている。
成果報告については、当初から計画できたものがアイランダーという毎年決まった時期に開催され
る離島イベントのみであったことで、日程の調整や会場の確保、主催者との事前打合せや参加者の
募集などあらゆる面で後手に回った感が否めない。そのため、本来の趣旨であった島民と学生によ
る口永良部島の広報が十分に実現できたとは言えないが、限られた条件の中で成果報告を数多く行
うことにより、鹿児島県庁や鹿児島県商工会連合会、鹿児島市内の企業や団体及びNPO法人、屋
久島町役場や屋久島のNPO法人のほか、県外でも東京や大阪、福岡など多くの関係者との連携を
深めることができたことが大きな成果と考えており、次年度以降はこれらの関係者と協力して、前述し
た事前研修を充実させて取り組んでいく方針である。
その延長上に想定していた島なび応援隊の組織化については、上記の通り幅広い連携先を構築す
ることに注力することにより、ゆるやかな連携体制を構築した。これらを基にして、次年度事業の実施
体制を強化し、島の外部の組織としては島なび学生隊と島なび応援隊(仮称)が、島の内部の組織で
は口永良部島移住交流推進協議会(仮称)とへきんこの会が役割を分担していく。
次年度計画の立案について現時点では、前述の通り本事業における船上会議と事前研修にあたる
部分を強化して新しい枠組みで取り組むと共に、本事業についても継続して行う方針である。
最後に行政との連携について、本事業を通じて屋久島町役場企画調整課をはじめ屋久島町長との
意見交換を通じて、次年度事業の実施にあたっては、企画調整課との事前打合せの機会を設けるこ
とと、そのための島民との合意形成を図る必要性について概ね合意を図ることができた。
このことは、役場が島民に求める「行政への依存から島民自身による行動」について、一定の範囲内
での橋渡しができるものと考えており、それがへきんこの会の役割であると再認識している。
61
最後に、貴船庄二さんから若者に対する想い。
62
参考資料 目次
1. 放牧勉強会 参2
2. 金岳だより平成22年度10月号 参3
3. 学生が決めた規則 参4
4. 事務局が決めた規則 参5
5. 成果報告会南日本新聞掲載記事参6
6. ふるさと回帰フェア学生プレゼン資料 参7
7. 成果報告会へきんこの会プレゼン資料 参8
8. 金岳だより平成22年度11月号 参9
9. 屋久島町議会だより 参10
10. 島なび学生隊の学生による報告 参11
11. 議事録 参22
参1
資料1.放牧勉強会(勉強会で使用された資料を一部抜粋)
参2
資料2.町報「やくしま」10月号
参3
資料3.学生が決めた規則
<ルール作り>
・行程表(個人のもの、それらをまとめた全体のものをつくる)
行程表はサブリーダーがつくってくれてるので受け取る
個人のものは29日締切、リーダーに提出→30日までにまとめて山地さんへ提出
※枕崎合宿での企画書も29日までにリーダーに提出
・金銭のやりとり
日報にすべてを載せる
・5分前行動
・日報はその日の24:00までに提出
<日報の書き方について>
自分の感想ばかりになっているので、島民の視点、島民から教わったこと、その感想とその背景
(なぜそう思ったのか)を書く。
<報告書について>
基本的には企画書に沿ったもの。こういうことがあり、考えが変わり、結果こうなった、でも良い。
参4
資料4.事務局が決めた規則
. 電波が届かないので、確実な連絡がとれる方法を確保する。
. 島民の目線を知る上で、学生であっても自律した目線を持ち、自分の行動に責任を持つ。
. 学生に金銭的利益が発生しなくても、生活を保証されている以上、金銭のやりとりは報告す
る。
. 島民の生活はそれを生業としているので、目線や焦点をあわせる努力をする。
. 島民は学生であるからこその対応をしていることを十分に理解する。
. 短時間だからできることではなく、長時間ここに居ることを想定して、考えること。
. 島民にとっての日常を知ることが、島民の目線を知ることにつながる。
. 全体が集まる時間を必ずつくる。
. ホームステイ先での情報の共有、島民の話や目線を含め自分自身の行動や言動に対
する
. 苦言など、自分がホームステイ先でどういう生活スタイルを実行しているか、など。
. (学生全体の会議) 6時~7時
. (日誌の提出)ホームステイをする学生は、12時~13時に代表理事が日誌を回収
. 共同研修所の学生は、23時~24時に日誌担当か代表理事へ提出
参5
資料5.成果報告会南日本新聞掲載記事
参6
資料6.ふるさと回帰フェア学生プレゼン資料
参7
資料7.成果報告会(鹿児島市内)へきんこの会プレゼン資料
参8
資料8.金岳だより11月号
参9
資料9.屋久島議会だより 平成22 年度12 月
参10
資料10.島なび学生隊の学生による報告(抜粋)
1.全体活動を通して
島の生活を通して学んだことは、都会と島の仕事観の違いである。島では個人が勝ち残
り主義主張を通すのではなく、個人が常に島のことを考え、その島に息づく伝統や文化、
自然を将来に対してどういった形で残していくかといった全体主義的な思考が仕事の中に
ある。島全体が一つの家族のようになっており、1 人1 人の役割が明確で誰一人として不必
要な人は存在しないと感じた。だからこそ、I ターンや移住を考える場合、都会と地方のメ
リット・デメリットを自身の価値観を基に判断し、どちらが自身の今の価値観、また将来
の価値観に合っているかを冷静に判断しなければならない。島という特殊な環境にI ターン
や移住をするには、大きな決断と冷静な判断が必要だとプロジェクトを通して感じた。
2.個人テーマを通して
もともと昆虫が好きであり、それが派生して自然界の現象や仕組みといったものに興味
を持っていた。具体的な調査内容としては、口永良部島におけるネイチャーガイドの問題
点の明確化との可能性を検証することを目的として、ネイチャーガイドをされている貴舩
森さんにインタビュー調査を行った。
島なび学生隊として具体的に出来る出来ないといったレベルで現在のネイチャーガイド
の問題点を考えると、プロモーションの問題に関しては学生が解決できることが多く存在
することがわかった。つまり、学生が島のパンフレットやHP の作成などを行うとともに、
セミナーやフェア等の機会を利用して学生が口永部島のプロモーションを図るということ
である。また、今後の活動として、私自身としては①口永良部島にて昆虫採集&同定によ
り、島の昆虫図鑑の作成、②今回撮影した写真をGoogleMap の写真に投稿し、より多くの
人が来たいと思うための情報提供、の2 点を考えている。
3.まとめ
以上の問題を解決するためには、解決の切り口として①外部の人間の移住、②行政によ
る金銭的補助、③島の魅力(観光のインフラ、コンテンツ)の確立等が必要であると考え
る。まず第一にすべきことは、島民の中での島の将来ビジョンに対する合意形成である。
島の将来ビジョンに対する合意形成が必要な理由は、将来ビジョンの軸がなければ島と
して明確な将来の道筋が見えず島の発展に支障をきたすとともに、民主的に意見を汲み取
るプロセスがなければ、活動する個人の利権もしくは独善的な活動により、島の将来が左
右される危険性があるためだ。
4.感想
個人的に今回のプロジェクトが現在の価値観を再度確かめる機会になったことは、とて
も大きな成果だと感じている。価値観とは自身の仕事感であり人生観であり多くのこれか
らの将来に対する決定を下すための自身の軸である。その軸が今回のプロジェクトでより
深く大きなものになった。これからもこの大きく有意義な経験を自分の糧として一生懸命
頑張っていきたい。
参11
1.全体の活動を通して
もともと団体行動が得意ではなく、今回12人もの大人数で島に入り思うようにいかない
部分も多くあった。一番反省している点は、島民の生活ペースに徹底して合わせられなか
ったこと。
2.個人の活動を通して
島の魅力を写真を使って島外に伝える。こういう考えで島に入り、色んな魅力に触れた。
島全体が国立公園に指定されているだけあって景観はすばらしいものがある。しかし、そ
れだけでなく色々なイベントや島民の人々そのものが魅力的であった。島民にとっては当
たり前のことであることが私たちにとっては魅力的であった。ということを島民の方にも
知ってもらいたいと思い、写真を公民館や学校などの人の目につきやすいところに貼り、
感じてもらいたいと思う。また、当初から考えていた島外に伝えるという考え方は変わら
ず、写真をつかっての観光マップの作成に今後力を入れていきたい。
3.まとめ
今回初めての活動であたふたしてしまった場面も多かったが、結果的には貴重な体験であ
ったし、東京組のメンバーは比較的集まりやすいので今後、パンフレットづくりなどの協
力をお願いして形として口永良部島をのこせるようにしていきたい。
4.感想
2週間、島で生活をして島民の温かさに毎日触れることができた。迷惑をかけた部分も
多く怒らせてしまったが、それも良い体験だった。今後島なび学生隊は続けてもらいたい
し、改善点を直していければ年を重ねるごとにいいものになっていくと思う。
まず、実際に島に行く前に何回が学生隊がミーティングできる機会を作る。また、島に
ついて何もわからない状態からホームステイすることができれば良いと思う。ホームステ
イすることで、島民の本音が聞け、生活も体験できるからであるミーティングを多くする
よりも肌で島を感じることが一番良い島を知る方法だと思う。
参12
1.全体の活動を通して
私は現在都内の飲食店でアルバイトしていることから、お酒の銘柄に少し詳しく、口永
良部島では入手困難、幻の芋焼酎とも言われている「三岳」の芋が製造されていることに
疑問を感じていました。何故なら「三岳」は「屋久島」の酒として有名であり、口永良部
の酒としては認識されていないからです。ですので、折角口永良部で幻の焼酎の芋が採れ
るのであれば、「三岳」を島のブランド商品化出来ないのかものと考えていました。また、
現在日本の焼酎、日本酒は世界的にも注目され、徐々に世界で通用する商品となってきて
いるからです。
2.個人の活動を通して
フェリーで島に着いたときは、幸運にも快晴でした。そしてまず思ったのが、「まるでハ
イジの世界のようだ」ということです。何故日本なのにハイジかというと、私はハイジで、
ゆったりとした空間、青い空、豊かで彩り深い緑、そして雪山を思い浮かべるからです。
人口150 人の島では皆が顔見知りで、皆が繋がっていて、皆が皆各々のことを気遣いあ
って暮らしていますが、集落間での意見の相違も窺えました。はっきりとしているのが、
島への危機意識の持ち方です。人口が多い集落ではより島の発展に対して関心が強いので
す。これは人口の少ない集落ではより高齢者の方がほとんどで、静かに暮らしたいという
考えが強いからという事実が一因していると言えます。
一人一人が仕事、仕事の掛け持ちであり、またそれが島に還元されることが多いので責
任感の強い方が多かったのも印象的であります。
3.まとめ
島に行く前の欄に「三岳」が何故、口永良部島でブランディングされていないか、合わ
せて口永良部島の寿司と酒は日本が世界に誇るソフトパワーになりうるかと書きましたが、
私はこの、以前の考えを今では強く恥じています。何故ならば、今では私にとって地域活
性化という言葉はとても重く、そう易々と使えるワードではないからです。そもそも何故、
口永良部で焼酎の三岳が生産されていないのかと言うと、三岳の芋事業に取り組んだのは
ここ数年の事であり、まだまだそこに手が回らないからだそうです。自分は島に行く前、
この大きなアイデアを島に投げるつもりでいました。それによって島が良くなればなんて
考えていました。島では本気で働いて本気で島の発展を考えている方々がいます。そして
その発展とは、島の規模にあった緩やかなもので、もし仮にでも私のアイデアが即行され
でもしたら、島は確実にパンクし、島の一番の魅力である「人間らしい人間」、「あたたか
な人間」は損なわれてしまうと思います。ですので、そういった現地事情、島事情、口永
良部事情というものを把握せずに、何も責任を持たず、ただ大きなアイデアだけ持ち島へ
渡り、自分の未熟さを知れた点は非常に有意義で今回一番の財産になったと言える。
参13
1.活動全体を通じて
湯向での生活について考えたい。学生12 人が寝食をともにするだけのスペースとしては
不十分すぎて、各人のストレスがたまりやすい。プロジェクトにはお金も関わってくるし
島民との付き合いもあるし、そもそも国の事業であるし、学生がすべてを決めるなんてこ
となんて始めから無理なのである。だからこそ、ここはスタッフが決める、その上で学生
はここを自由に決めてほしいという言うように言ってもらえれば学生は与えられた枠をい
っぱいに使って必死に面白いことを考えようと努力するだろう。枠がない状態では、学生
はコンテンツの拡充よりもさきに無い枠を模索する方向に気が散ってしまうのである。
2.個人テーマに関して
私が島で取り組みたいと思ったテーマは"島全体をまわるコミュニティバス"というも
のであった。観光客が訪れた場合の島内の移動は民宿の方の送迎によるものしかないのだ。
バスにのる乗客として考えられるのは島民ということもありえるだろう。さらには、バ
スに島でとれる生産物を載せて商店としての役割を果たせないかと考えた。島で育った牛
も魚も野菜も島の方々が自由に買えることはなかなかないのである。
3.まとめ
私は地域活性化という議題において、島に行く前に考えていたことの甘さを実感した。
私たちにできることはただ現状を見る事、100 歩譲っても新しく作られるビジネスに対して
(今回の件で島の方と関わりをもったからという理由などで)何かちょっとした意見がで
きる程度に関われることくらいではないか。部外者がビジネスモデルを確立するまでにな
るはずもないし、そんなことが行われてはいけないのだろう。私たちにこれ以上何ができ
るのだろうか。何かを始めるときに、実際に行動するのは島民なのである。
4.感想
私は常に、島に産業をどのようにして創るかということを意識していた。その中で気が
ついたことは、"自分(部外者)ができること"と"島の人がやること"を混同してはいけ
ないということ。子供がふえてくれば島の人たちが必要性を感じて保育園をつくるであろ
う。これは"島の人がやること"である。部外者としての私たちが産業を創るという分野
においてできることは皆無と言ってもいいくらいないのではないか。私達ができることは、
それぞれが島の人や島を好きになること。その上で自分の思ったことを島の人に伝えるこ
とだけだということがわかった。私たちにできることは、またの機会に必ず島を訪れるこ
と。なぜなら今回の旅は食事も寝所も島の人にお世話になったからだ。私は島の人とお互
い対等の立場として島に滞在できたとは思っていない。例えば対価を払って民宿に泊まっ
た訳ではないのである。今回は島から得られたものを一方的に享受しただけだからこそ、
まず当たり前の礼儀としてのお返しをするべきではないか。例えば島の人が必要としてい
る(モノやコト)に答えることもそうだろうし、再び島を訪れることも感謝を表すことと
してぴったりだろう。
参14
1.活動全体を通じて
フィールドワークを実施する以前では、私たち学生がこれから口永良部島に関わってい
く上で、口永良部島の活性化という点から、移住者の拡大による人口の増加のための政策
や、パンフレット作成を始めとする観光業の確立など様々な提案することを考えていた。
私たち学生に何ができるか。私は、"島民の主体的な活動を支える環境"の整備、および
その提案であると考える。そしてそれが、新たな職業・ビジネスチャンスへと繋がるので
はないだろうか。
2.個人テーマに関して
口永良部島における子どもに関する調査を行うことにより、この島の活性化が図れると
考える。それにより新たな職業・ビジネスチャンスが生まれるのではないか、"口永良部島
における活性化とは何か"とともに島民へのインタビューを中心に検証する。
当フィールドワークをするにあたり、職業体験を始めとする"受動的体験"はもちろん
であるが、インタビューや学生企画を通しての"主体的体験"を主とした調査を実施した。
・島民(主に保護者・教育関係者)へのインタビュー
・スポーツ(サッカー・野球・卓球)を通して実践的な検証
・ゲーム(ハンカチ落とし)や紙芝居を通しての実践的な検証
3.まとめ
島民の主体的な活動を支えるために、最も重要なことは"子どもの教育環境を整える"
であると考える。この島の教育における問題点は、主に以下の4 点が挙げられるのではな
いか。①産婦人科医、助産婦の不在、②ベビーシッターや、託児所、教育カウンセラーの
不在、③チームスポーツの指導者の不在、④勉学におけるモチベーションの維持の難しさ
そこで、アプローチ方法を2 つ考える。1 つは金岳小学校の教材が教育指導要領に沿った
だけのものであるため、口永良部島にあった補助教材の開発をすることである。初等教育
にあがるまでに机に向かう機会が無いであろうこの島の子どもと、受験が身近にある本土
の子どもが同じ内容だけをやるのは非常に難しいと感じる。そうであれば、宿題を工夫す
るなど、"ご当地教育プログラム"の確立が有効なのではないであろうか。もう1 つは、都
内の子どもとの交流プログラムである。それは、手紙や直接交流はもちろんのこと、イン
ターネットを使ったきっかけ作りがあればより円滑な交流ができるであろう。以上の4 点
は、それぞれが独立しているわけではなく、組み合わせていくことができる。さらに、山
地さんのおっしゃる"口永良部島に職を"という観点から、上記の項目と自分の特徴をも
組みあわせることによって、島民が主体的に動くためのより良い環境の整備というのがで
きるであろう。
参15
1.全体活動を通して
島民との交流を目的に実施。結果島民の生の声を聞くことができ、島民がこの島に対し
て抱いている思いを知ることができた。東京からのプロの演奏家と、鹿児島国際大学短期
大学専攻科の皆さんをお呼びしての音楽祭。組織運営や指示系統、全体として共有すべき
ことに難があり、ミーティングを重ねた結果島民の皆様にご迷惑をおかけしてしまった。
寝待温泉の清掃など人手の足りないところにボランティアとして参加。目に見える形で
の島民に対する感謝を表すことができ、また島民と交流を図る上で重要なものとなった。
2.個人テーマに関して
ホームステイを通じての島民の皆さんの生活、全体活動を通じての組織としての動き方
など普段はできない体験をした今回の島なび学生隊の活動をまとめる場の作成。
口永良部島に対する情報が少なく、島民以外では数えるほどしかない。そのような現状
を知り、この島なび学生隊が今後も続いていくことを前提に活動をまとめ、公式ページで
はなく学生が主体となって発信する必要性を感じた。
3.まとめ
今回、島なび学生隊に参加して、口永良部島のように地理的、資源的に決定打となるも
のがない地域の活性化の必要性を強く感じた。実際に島に行き、島民の声を聞き、生活を
共にし、得るものはとても大きい。学生と島民が相互に頼れるような関係性の構築が今後
は必要になってくる。次回以降はより効率的にそれぞれの活動ができるよう、改善点は改
善しなくてはならない。
4.感想
今回、島なび学生隊に参加して、強く感じたのは連絡や指示系統の共有ができなかった
こと。実際に島に入った後、トップに責任がのしかかるのはわかるが思った以上に動くこ
とができず、端から見ても組織がスムーズに回っていないことがわかってしまう。終始意
見の相違で終わってしまった感がある。最初に集まったときは体験を通して島に何か還元
したいというような話だったのがいつの間にかスタンスが変わってしまった。
島でホームステイをするということは島民にあわせるということ。島民はその日のこと
はその日に決めるという生活が多いので、事前にがちがちにスケジュールを決めるのは無
理があるということがわかった。あと、島ではドコモしか通じないということを最初に教
えてほしかった・・・ここまで連絡を取り合うことになるとは予想できなかった。次回以
降はみんなドコモを持ってくるか、連絡を取る必要が内容にしないと今回の二の舞になる。
このプロジェクトがなかったら少なくとも後10 年はこの島を知ることすらなかったはず
だし、貴重な体験、そこで得た仲間など数え上げればきりがないほどの得るものがありま
した。ミーティングの多さなどを除けば、学生にもとてもよいプログラムであるので、来
年以降もぜひ続けていってほしい、そう感じました。
参16
1.全体活動を通して
私がリーダーという役割に慣れていないということもあったが、仕事の割り振りを最初
のうちできっちりしておくことが大切であった。へきんこ亭に着いたときから「明日どう
するんですか」「寝袋はここでいいんですか」「リーダー炊飯器はどこですか」と立て続け
に質問されたときに、私がすることは全てを指示するべきではなくて状況に任せるべきで
あった。何度かのミーティングのたびに結局は意識の違いとか精神論になってしまい、ほ
とんど何も決まらなかった。具体的に島民からは「来ますっていってこちらはいつ来るか
って準備している。ご飯の時間になって『来ました』って現れて、ご飯を食べて寝る。次
の日はまたいない。君たちにとってホームステイった何なの?」という意見が出ていたの
だが、意見交換会のあとにも「結局改善できたの?」という声があがっている以上、合宿
中では改善できなかった点がまだ知らないだけであるのかもしれない。
2.個人活動を通して
鹿ハンターの企画を作ったが、それよりも島なび運営の方が大事なので方向転換。音楽祭
の協力願いでまわるなかで、栄一さん、真木さん、山地さんのそれぞれ個人の立場と所属
団体の立場をはっきりさせた上で会話の内容を注意深く変えているのが分かった。同じ場
所で同じメンバーで話しているにも関わらず、話す対象人物が全く違っていた。無惨な失
敗からの経験なので手放しによかったとは言いにくいが、相手がどの立場で発言している
かを見極める必要があると、また自分がどの立場で発言しなければいけないかを考えさせ
られる機会になった。
3.まとめ
やっかいものの「鹿(資源)」をテーマにしたことから考えると個人テーマは大きくずれて
いるようにみえる。日常の中で問題を解決していくことがなにより大事で、生活から浮い
た対策は何の意味も為さないと考える。視点が鹿から運営に変わったことで、こんな状況
にありながらも積極的な鹿対策ができない島の現状があると考えることができた。これか
ら半年、島に住みながら卒業を書く予定だが、島の生活が織り込まれている論文が書きた
いと考えている。
4.感想
たまたま新聞で島なび学生隊の募集をみかけて2週間後には東京にいることに、そのス
ピードに驚いた。島の活性化よりも島をフィールドにして自分から学んでほしい、という
ことを聞いて「実は卒論の題材が探していて島に行きたい」「将来は沖縄で自分の力で働き
たい」と申し出た。島で学ぶことはきっと沖縄で役に立つ、さらに島で役に立つことが出
来る可能性があるなら何でもやってみようと希望的に考えていた。ただ、市場がなく島の
中で島のものが流通していない状況が気になった。鹿は対策をうたなきゃいけないのは分
かったが、現状の感じもわかりにくい。あと半年、島に残れるようになったので島民の暮
らしを織り込んだ卒業論文を書き上げるのが目標である。
参17
1.全体を通して
今回の合宿を通して、口永良部島ならではの暮らしを実際に体験し、知ることが出来た
ことは、私の離島の暮らしに対する認識を大きく変えた。さらに、島で暮らすことで、現
在自分の暮らしている地域について改めて見えてくることもあった。
2.個人テーマに関して
私は以前から観光に興味があり、今回の合宿では「ゲストハウスをつくりバックパッカ
ーを呼び込む」ことによる島の活性化の可能性を模索しようと考えていた。その理由は一
般の観光客よりも比較的時間の融通が利くバックパッカーをターゲットとすることで、口
永良部島に気軽に立ち寄ってもらい、気に入ってもらえれば長期滞在をも見込めるという
利点があるからだ。さらに、バックパッカーとして島を訪れた人が、島の人のお手伝いを
しながら滞在することで、旅行者自身の旅の満足度の向上になるとともに島の活性化にも
つながるのではないかとも考え、この企画を検討しようと思った。そこから見えてきたの
は、何のスキルも無い私のような学生が行っても、お手伝いできることはあまり無いとい
うことである。もちろん、島民の方々にお願いすれば漁や農業のお手伝いをすることも可
能とは思われる。しかし、慣れない人が手伝っても逆に仕事に時間がかかり、仕事の負担
を増やすだけになってしまう。それに加え、島民の方々は観光客が大幅に増えることで観
光地化することを望んでいないということも知った。交流人口が増えることで経済が活性
化することは望ましいが、知らない人がたくさん島に入ってくることで今と同じような生
活が送れなくなってしまうことが不安だという。以上のことから、当初考えていたテーマ
を口永良部島で実施することは望ましくなく、実現可能性にも乏しいことが分かった。
3.まとめ
今回の合宿ではホームステイをさせていただき、ホームステイ先のお仕事を手伝わせて
いただくことで、島での日々の暮らしについて身をもって知ることが出来た。今後は、ま
ずは島の魅力を周囲に伝えることで、口永良部島について知るきっかけをつくっていきた
いと思う。
4.感想
今回、初めて口永良部島という離島で約1ヶ月間という長い期間を過ごしたことは、私に
とっては自分の持っている島での暮らしについての認識を改める、非常に有意義な活動と
なりました。今回の合宿では、島でホームステイなどを通して口永良部島の暮らしをして
いく中で、自分の地元と比較したときに、同じところや違うところが見つかっていきまし
た。そのことは、今後「地元を活性化させていきたい」という大きなテーマを考える上で、
非常に参考になると思っています。また、口永良部島にはフェリーが1日に1便しか来な
いことや携帯電話の電波が届かないことで、何気ない日常の生活が非常に便利だというこ
とに改めて気づくことができました。
参18
1.全体活動を通して
私は企画の係として、交流会や島民の方々への広報、食事の準備、音楽隊との連絡、
会場の設営などを行った。交流会の準備を通して思ったことは、皆が全体の企画と個人の
企画のバランスをどうとっていいかが分からなかったのではないか、ということだ。音楽
祭に関しては、交流会での反省を活かし、会場の設営から食事作りまでをスムーズにでき
たと思う。島民の方々や子どもたちも音楽祭をとても楽しんでくれて、それが何よりも一
番うれしかった。
2.個人テーマに関して
テレビや新聞では本土の県内の畜産事情はよく流れるが、離島のことはあまり知らなく、
わからなかったため、この機会に学びたいと思った。島で一番大きな牧場である新村牧場
でホームステイをさせていただきながら、放牧の仕事を手伝わせてもらった。また、個人
で畜産を営む方にもお話をうかがいに行き、昔の島の様子や今との違い、なぜ畜産が衰退
してきているのかを聞き、島の畜産が抱える問題について考えようと思った。放牧アドバ
イザーの方の勉強会の際、外部から見た島の畜産と、実際にそこで働く人との考えに大き
く差があることが気になった。学生である今の自分にできることは、口蹄疫の問題を少し
含めつつ、一消費者として食の安全、安心とは何かを考えたい。具体的には、メディア(地
元の新聞社で)を使ってこの活動を紹介し、学んだことを伝えていきたいと思う。
3.まとめ
全体の企画にしても個人のテーマに関しても、あてはめられた枠がない中で動かなけれ
ばいけなかったため、自分を押すことが苦手な私にとっては、葛藤しつつも自分を鍛えら
れるよい機会だった。全体においては、島民の方とかかわるよりも運営の立場で関わるこ
とが多く、何か催しをする際の大変さを感じることができた。
4.感想
島に入ってすぐ、寝待温泉の掃除がありました。正直「今でもこんなに繋がりが強いと
ころがあるんだ」と感動しました。「もっとこうすればよかったな」と思うことがいくつか
あったので、書きます。●全体の企画と個人の企画のバランスが難しかった気がする。
●「皆で協力してやろう」という体制ではなかった。●お互いにコミュニケーションをも
っととっておけばよかった。●全体の企画に関しては、島民の方も巻き込むわけなので、
事前準備はある程度必要●連絡や移動手段が限られているので、大変だった。
枠のない企画は初めてだったので、約1カ月間ずっと自主性が求められていたと思います。
同時に、協力し合わないといけない時もあって、いろいろと勉強になりました。人とぶつ
からないと分かりあえないこともあると学びました。地域のつながりなんてほとんどない
今、改めてその大切さに気付かせてもらいました。普段関わることのない東京の学生の皆
といることも、いい刺激になりました。いろいろありましたが、はっきり言ってくれる人
たちに囲まれてよかったです(笑)。楽しい時間を過ごせました。
参19
1.全体活動を通じて
各々、テーマを持ちながら、その中で交流会、音楽祭のイベントの為に行動した。さり
ながら私は島民と打ち合わせをした記憶もなければ、何か企画立案をした覚えもない。そ
の間私が何をしていたかといえば、釈然としないものがある。個人的な能力の不足、積極
性のなさが問題であるがこの点はこれから改善していく。
学生側としても勝手の分からぬ島の中でどう動けばいいか逡巡したし、島民側も学生が
どこまでやってくれるのかわからなかったのではないか。その中で、山地さんがそのイベ
ントの中で学生に何を学んで欲しかったのかも分かりにくかった。
2.個人テーマに関して
私の個人テーマは「口永良部島の海をいかした釣りツアーをおこなう」だった。釣り客
であればリピーターも獲得できるし、大挙して押し寄せるわけでもないので島の環境も壊
しにくい。何より島の豊かな海は大きなセールスポイントになると思った。
そこで私がホームステイで体験させていただいた伊勢エビ漁を見学するツアーを組めば
いいと考えた。何より、漁師さんのスゴ技に私は感激したから、これを他の人にも味わっ
て欲しい。夜は獲れた伊勢えびや突いた魚を食べれば、大満足できるはずである。口永良
部島は多くの観光客を受け入れることは出来ないが、逆に人との触れ合いを重視し、他と
の差別化を図りたい。
5.総括
山地さん、島民、学生の間で円滑なコミュニケーションが取れていたとは正直思えない
が、それでも共通の目的を持って頑張る人間はとても強い。枕崎でやった、個人の目標設
定も島の中に入ってから大いに役に立っていた。
最後に、放牧アドバイザーの落合さんがいらしたとき、正直我々のような素人は要らな
いのではないかと思ったことがあった。ただ、学生が来たことで自分たちも初心に帰れた
という島民もいて、相手が専門家であれ素人であれ、島という閉鎖的な環境のなかで外部
の人間積極的に交流をするのはとても大切なことだとも思った。問題も含みつつ、走り続
けるのが山地さんの信条らしいので、引きずられつつやっていく。
4.感想
1年生ということで、不安も大きかったですが本当に可愛がってもらいました。島民と
の交流も大変意義深いものでした。厳しく忙しい中にも決してユーモアと余裕を忘れず、
懐の深い彼らから学ぶべきことはたくさんありました。真の豊かさとは何かを考えさせら
れました。価値を何に置くかによって人の生きかたは大きく変わるし、その価値判断の基
準が世の趨勢と異なる場合、葛藤もします。私自身、現代人の価値観について常日頃思う
ところはあったのですが、またひとつ、自分の引き出しが増えました。本当に多くの方に
支えられ、多少体力的にはつらかったかもしれませんが、それもみんなで声を掛け合って
頑張ったことは、言いようのない感激を今、私に与えてくれています。
参20
1.全体活動を通して
私は鹿児島の観光に興味があり、離島の観光に魅力を感じていました。しかし、実際には
観光客よりも島内の工事で宿泊するお客さんが多く、観光客は少ないとのことでした。また、
観光地として整備されている訳でもなく観光客のための情報も多くはありませんでした。今
回、ホームステイさせて頂いた民宿で私は主に雑用として働きました。薪を切ったり、床下
にもぐったり、草刈りをしたりと普段はしないようなことをしました。その中で感じたのは
人として基本的なことができる人がなかなか若い人には少ないと感じました。私たちの生活
は便利になる一方で、私は人として忘れてはいけない大切な何かを1 週間のホームステイ
で感じ取って学ぶことができたと思います。
2.個人テーマに関して
今回、私は離島の観光をテーマにして島で活動しようと考えていました。これまで私はカ
ナダに留学しており、鹿児島の魅力を海外に紹介することで観光客が増えて地域の活性化に
もつながる可能性があるのではないかと考えていました。そこで、外国人の観光客に対して
ホームページなど英語で情報発信ができれば外国人観光客は増えていくのではないかと考
えました。しかし、民宿で実際に仕事をして感じたのは、もし外国人観光客が島を訪れた場
合の受け皿がないということでした。日本語が話せる場合は別ですが、話せない場合が島民
の方々の負担になってしまうのではないかと思いました。私はただ単に情報発信するだけで
は島民の方々に迷惑をかけてしまうだけだと気付きました。
3.まとめ
今回、口永良部島での夏合宿を通してたくさんの人々と出会い、たくさんの経験をするこ
とができました。私の決めたテーマについては計画だけという形に終わってしまいましたが、
将来的には協力してマップ作りに取り組んでいきたいと考えています。
4.感想
私は鹿児島生まれの鹿児島育ちですが、実際にこのプロジェクトに参加することが決ま
った時は口永良部島のことを何一つ知らず、インターネットを使い検索しました。しかし、
自分が欲しいと思う情報がなかなか見つからず、この島は本当にどのような状況かが伝わ
ってきませんでした。このように情報が少ない島に行って自分達に何ができるのか少し不
安でもありました。実際にホームステイなど行いながら感じたのは、島民が増えることが
一番の島の活性化だということです。島民の方々も一番それを望んでおり、そのためには
仕事や家といった問題もありますが、やはり一番の活性化は島民が増えることなのだと思
いました。島民の方々と一緒に生活することにより、人としての基本というのが改めて大
事だと感じました。簡単に食べ物が買える時代に牛乳一本も十分に買うことのできない生
活であったり、草刈りをしたり、人として生きる基礎というのがこの島で学ぶことができ
たような気がします。この経験を将来の人生に生かしていきたいです。
参21
資料11.議事録
【8月23日:指宿の喫茶店での会議】
<鹿児島組の交流会に対する意見>
1 人10 枚チラシをつくる、子どもを集めれば親も来るはず、子どもを集めるために、ラムネ早飲
み大会、ゆむぎの人たちをどうやって呼ぶか、交流会、買い出し組は必要なものをリストアップし
て23 日中に買う、ネームプレートをつくろう、ゲームやろう、年配の方も参加しやすいもの、鹿児島
弁クイズ、借り物競走、音楽祭の宣伝もやろう。
<東京組の交流会に対する意見>
28日は大人との交流、29日は子どもたちとの交流、島の主要な方を集めてその後につながる濃
い交流をしたい、子どもを呼ぶなら借り物競走も楽しいけど、それよりはじっくり話したい。
(学生)近日中のタイムラインはメーリスに流す、携帯にも届くようにする。
(学生)主要な方以外の方がいらっしゃるかどうかが微妙。
(山地)高齢者は行事にあまり参加されないので。
(リーダー)さっきおばあちゃんに話しかけられたんだけどなんて言われてるかわからな
かった。来てください、って言っても向こうがなんて言ってるかわからないかも。
(山地)初対面でいきなり来てくださいって言っても来ない。
(リーダー)互いの興味がわかったら、ゆるくチームをつくる。移動手段が少ないので。
<28日の交流会に関する決定事項>
対象は島民の中のキーマン、時間は18 時~、場所は本村公民館、自己紹介、意気込み発表等、
食事、酒、つまみを買っておく、食事なしを先に26.27 日に伝える。ホームステイ先を決めやすくす
るために、島民の方には職業を書いたネームプレートを書いてもらう。
<29 日の子どもとの遊びに関する決定事項>
対象は島民の子ども12 人程度、内容はサッカー
(学生)子どもをいきなり連れて行くのは危ないので、大人が1 人いた方が良い。
(山地)学校を使うなら事前に許可必要。
(学生)小学校内で完結させるならなんでもいいんじゃない。
(山地)学校には何をやるのか、目的をはっきり話す。
(学生)付き添いの大人は、こちら側から必要かなと思うんですが、と提案してみる。
(学生)宿題は、終わってなくて困ってると言われたら手伝う感じでいいんじゃないかな。
参22
【8月23日:枕崎研修1日目】
(講師)枕崎でやることは、島にいるそれぞれの目的をかなりはっきりさせるための議論。まずは
そのたたき台をつくる。いざ入ってみないとプランがでてこないという状況だと思うんだけど、入っ
てからテーマを決めようと思っても、時間がなくてプランを練ることができないと思うので、考えられ
るところまでで良いので、島の課題、自分の課題をすり合わせながらテーマを考えていこう。
(講師)島なび学生隊の定義は仮。こういうことを目標とする、というのを形式上つくる終わったあと
に振り返って正しかったかどうか検証してみる。課題解決をしてほしいというニーズがあり、島民
から見たら、よくわからない学生が来てとにかく島おこしをしに来るんでしょ、という感じ。
内容が良ければ嬉しいけど、内容次第では迷惑になりかねない。どういう問題意識、目的意識を
持ってるのかがわからない。島の人に伝わるように。
(学生)ゲストハウスをつくって、暇を持っているバックパッカーを誘致する。
(学生)島内がもっとつながればいい。魚に着眼。もっと協力し合えば島の資源が循環してより良
い方向に行くはず。コミュニティバスができたときにどのくらいの人が恩恵を受けるのか、屋久島で
はいくらで売れるのか、口永良部島で売ったらどのくらいの利益があるのかの調査。
(学生)150人を250 人に増やす、移住者を増やす。観光客に、どうして島に来たのかを聞く。島民
に、どうして移住したのかを聞く、その情報を東京や都市に流す。自分で体験してこそしっかりした
言葉になると思うので体験してきたい。
(学生)ネイチャーガイド、長点、豊かな自然に恵まれている、屋久島から近い。生き物の多様性
がおもしろい。自然教育を実施する教育団体を誘致して、自然学校を開いてもらう。ネイチャーガ
イドをしている人に話しを聞いて、ネイチャーガイドのルートを観光客視点で見てみる。
(学生)旅行をして写真を撮るのが好きなので、島の写真を撮って、ゲストハウス、ユースホステル
に置いてもらう。島の人たちに許可をもらって写真を貼る島の暮らしに入っていって、写真を撮って、
それを買ってもらう。自分だけじゃなくて、みんなの写真を合わせたい。
(学生)途上国問題、異文化の中で職を生み出すということは似ている。島にどのくらいの仕事が
あるのかを調べる。島には十分にアイディアはあるけど実行できていない、というジレンマがある。
島の料理を教えてもらい、東京の飲食店でPR する。東京で島の疑似体験ができる。
(学生)高校生、大学生がいない。高校生、大学生がいれば、東京との交流はやりやすい。東京の
子どもたちと島の子どもたちをつなげて、関係づくりができれば。お金を落とすというより、子ども
たちに刺激を与える。島に戻って還元したいと思うように。
(学生)外国人にくちのえらぶを紹介する。外国人の目線から見た新しいくちのえらぶの魅力を発
信する。屋久島に来た外国人にどうやって売り込むか。ホームページで、島民の1 日の生活を紹
介する。日本の文化、島の文化を見ることで、興味を持ち、体験してみたいと思ってもらう。
(学生)畜産や農業をつかって島の発展に活かせればと思った。競りも、データ化されるようになっ
たが、現代の流れに合ってない。生産者の立場でものを考えたい。私たちが受け取る情報と現実
にはギャップがある。生産者の立場からの情報発信、地元の新聞紙で記事を書く。
(学生)釣りが好き。海を題材にした観光。釣り人は自分のしたい釣りについては妥協しない人種。
参23
場所が気に入ればリピーターになる。どこに行っても情報が得られるようにガイドブックを作成する。
ご当地ならではの釣り方、餌船で体験できるツアーを組む。釣った魚を宅配サービス。
(学生)鹿狩りツアー5日間、ツアー客は鹿狩り、鹿肉を楽しむ、島の鹿が減って嬉しい。島外の人
が撃って、運搬、解体、加工を島民がやるとなると島民に不満が出そう。体験ツアー、鹿祭りでお
いしさを共有、島民の生活と観光が乖離しないようにする。鹿肉の保存、施設、技術が必要。
(学生)地域活性が1つのテーマ。山地さんは仕事をつくりたいというが、本当に島の人が仕事が
欲しいと思っているのかがわからない。まずはそれを島民の方にお聞きして調査して、本当に求
められているものを見極めるのが今回なのでは。
(講師)島民が求めているものと、島に必要なものは必ずしも一致しない。島民が住めなくなるの
はせつないことだし、外から入ってくるのは刺激になる。島の課題はある程度見えてきていると思
うし、それぞれのやりたいプランを持っていって島民とやっていけるのかなどを考えていけばい
い。
(学生)島を知る、学ぶというのは抽象的だけど、自分がやりたいのはそれ。山地さんも興味があ
って始めた。僕も興味がある。島民と接して観光業を中心に学んで話すことで、もし島民が観光業
を広めたいんだけどどうしたらいい、と持ちかけられたときに、じゃぁ東京で伝えることができます
と。一番重要なのは東京などで発信すること、伝えること。
(学生)これ以上やられたら迷惑、ということもあるでしょうし、伝えるということもあるけど、お金を
払っても民泊をしてみたいという気持ちもあり、観光客としての視点も持ちたい。
(講師)ウェブを整理したところでどれだけ情報発信できるかといったら微妙。 いろんな島の情報
が入ってくる中でくちえらぶを選んでもらうのは、情報量の問題じゃない。個人のブログも大きいし、
強く感じた人を島民に迷惑をかけるというのは気にしなくていい、やりたいことがわからなくて迷惑
をかけるより、情熱があって迷惑をかけても許してくれるはず。びびることはない。
(学生)学校教育を勉強している。ニューヨークプロジェクトでは東京で味わえないことを体験しても
らう。くちえらぶの学校にすごくいいものがあるはずだし、東京にも島にないものがある。くちえら
ぶの学校と東京の学校との交流はできるはずで、ニューヨークの学校とは実際できているからそ
れを応用できる。佐渡島に行ったときに、あまりにも都心の子どもと感覚が違って、異文化が子ど
もに及ぼす影響をくちえらぶで中長期的に見たい。東京の学生が行くことをお金にすることはでき
るかもしれないし、学校同士が交流をすることで活性にもつながるはず
(山地)この島の事実、本質、現実を知った上でいろんなことを伝えていってほしい。島のことを話
すと、「羨ましい」とよく言われるが、それらを見極めて伝える努力が必要。
(山地)家族や子どもをつくることは実際難しく、みんな冗談めかして言うけど、かなり重要な課題。
(福本)婚活とか、厚生労働省でも勧めていること。地方でも、若い娘が少ないのは深刻な問題。
(講師)明日(24日)の朝の発表に関して、国からお金をもらって、島に行って、新しいビジネスを
つくる。企画書は成果報告会で発表するつもりで書く。地域学の新たな手法にならないか、という
荒削りな方法。こんなに荒っぽい方法で学生を放り込むという形は今までなかった。島の財産をし
っかり考えようというのであれば、他にも方法はある。学生だから出てくるという期待感、島に学生
参24
を連れてくるということ自体が学びの場になるのか、島でどれだけのことを吸収して成長できるか
今後別の形をとりながら学生を島に送り込むことを少ない負担で継続的にできるかどうかという実
験。島に行って調査するだけでは終わってしまうので、やりたいことを持っていって、島でそれがで
きるだろうかということを島民に聞くことができれば有意義なコミュニケーションができるはず。
その企画ができるできないではなく、自分のバックグラウンドがあってこう考えてこれができたらと
思ってるんだけどということを話せることが重要。ビジネスプランとしての企画書。人に説明すると
きに使えるもの。
(山地)完全なものでなくていい。いろんな方法論を出すこともいいのだけれど、それに対する想い、
何がしたいのか、その原点の部分を出してほしい。こうあったらいいよね、という未来予想図を書
いてほしいんだけど、そのスタート地点はばらばらなはず。自分の立ち位置、自分の中の合宿の
位置付けを考え直してほしい。それが島民や島に対して何ができるのかということにつながる。
(山地)ホームステイは島民との間で勝手に決めるのではなく、必ず山地を通すこと。ホームステイ
は目的ではなく手段。ホームステイ先を決めることが交流会の目的になってしまうと島民もえっ?
てなる。調査する、って何を調査するの? ただの交流なら意味がない。やりたいことはできると思
う、でもそのあとどうするの、ってとこを深く掘り下げてほしい。島民はホームステイのことは詳しく
知らない。ホームステイありき、のような議論になっているのが危ない。
(学生)島がわからない状態で意義づけなんてできない。どこでもいいので、泊ってみて、島の生
活を体感してみて、何ができるか、何をしたいかを考えられる。
参25
【8月24日:枕崎研修2日目】
(講師)寝不足でやってきたうえに徹夜でこれだけの作業をしてくれたことは、俺も嬉しいし、
山地くんもすごく嬉しそうだった。みんなにとってもいい経験だと思う。3週間という滞在はすごく短
い。切羽詰まった状況で、今にも倒れそうになりながら協力してやる、必ず次につながる、成長が
できたはず。乗り越えられない壁を乗り越えたときに人は成長する。発表しなきゃいけない、という
条件で深く考えると、島に入っても高い意識でより深い経験ができるはず。一番の成果は、みんな
が同じ釜飯を食い、同じ場所で寝て、みんなが成長したということが口永良部島にとって大きな利
益。自分の価値観を超える経験、その壁をどんどん飛び越えてほしい。島の人も伝えたいことは
たくさん持ってるはず。それらを吸収して成長してね。
【8月24日:三島村役場での日高郷士村長との研修】
(村長)硫黄島の開墾から始めた。子どもができた時、女房がサラリーマンを辞めることにものす
ごく反対したけど、腹が決まればすぐ協力してくれた。地下足袋とモンペを穿いて作業に参加して
くれた。島の人たちにも素晴らしい人だと歓迎してくれた。40年前、大学を出た人がこんなことをし
てるというのは世間的にも稀で珍しく思われた。島の中の問題は、1つ1 つクリアしていった。牛が
安いのはなぜか。血統が悪いから。じゃぁデータで管理しよう。それでも安い。なぜ?小さいから。
では肥料を良くしよう。肥料が高い。なぜ?運賃が高いから。ではなんとかしよう。無理だと思って
辞めてしまうのではなく、諦めずに頑張ること。今三島には365 名住んでいて、生活はなんとかで
きるけど満足はできないという状態。子どもを教育できない。島の人たちの所得を倍にしたいと考
えている。1つの地域が100 名前後なのだが、それぞれを150 名くらいにしたい。高齢者の世話は
仕事を中断していかなきゃいけない。やることが多いので遠くまで漁に行けない。子育て、教育も
人数が多い方が良い。新産業をつくりたい。交通の問題と産業とは密接に関係している。予算を
効率よく使うことも焦点。例えば体育館をたてようと思ったら3 つの島それぞれに作らなければな
らない。村役場が鹿児島市内にあると村人の顔が見えず、現場の声をくみ取ることが難しい。ジャ
ンベという、西アフリカから入ってきた楽器があり、新しい文化をつくろうとしており、15年ほど活動
しているが、なかなか定着しない。アフリカ人の音楽をそのままやっても定着するわけがない。沖
縄の「若き太陽」はすごいパワーを持っていて、エイサーもほかの国から伝わったものを若者の間
でなじみやすいリズムに変化したもの。このようにジャンベも三島村流にアレンジして自分たちの
文化にしたい。日本人は世界から見たら生まれた時から中程度の幸せの中にいる。だから夢とか
希望を大きく持つことが少ないのかも。ホラ吹き大会で笑い話になるようなところにヒントがあるか
もしれない。誘客産業、観光、人を誘う産業をつくりたい。観光だと島が荒れてしまう。客を誘える
ものはいろいろある。3月31 日、中村勘三郎が歌舞伎をやる。硫黄島には鬼が住んでいて、平清
盛が調子に乗っているのでなんとかしようって話。自然の中で、歴史があった実際の場所で、どう
してもやりたいという思いがあってのこと。1億かかる。村からは600 万。お金も何もないからやら
せてくれ。村役場はどうやってPR するか考えてる。失敗してもいいからやってみてほしい。
参26
【8月24日:十島村役場でのNPO法人トカラインターフェイス日高重成代表理事との研修】
(日高代表)上三島、下七島で十島村。大東亜戦争で北緯30 度以南は米国の統治下に。下七島
は十島村に。591名いて、中之島は一番多くて143 名、一番少ない島が42 名。どこも100 名足ら
ずの島。役場は鹿児島市内。行政に現場の声が反映されにくい。週2 回の航路。ヤマハが諏訪の
瀬島にリゾートホテルを建設するが撤退。本島と亜熱帯の交流拠点。温帯と亜熱帯の生物が共
存している。琉球文化と大和文化が混在している。トカラの食材を持っていって中国、韓国とか鹿
児島国際大の学生とか90 名が集まって会を開いた。アジアと味が似ているらしい。交流の拠点で
あった。中之島は小学5 年が6 人。教師8 人。あと2 年すれば彼らは卒業して学校は廃校になる。
1 人では生きていけない時代になり、助け合い、共生する時代になってきている。労働交換してや
り取りするような、結の精神を復活させたいと考えている。人と人とのつながりをつくっていこう。原
点に戻ろう。環境を通じて子どもを教育する。出る杭は打たれる。足を引っ張る。そのクセをやめ
て、互いに助け合い頑張ろう。よそ者、若者、バカ者がいて、地域の活性ができる。半バカくらい犠
牲にならないと難しい。奉仕の精神。人のため地域のために動く。島の公共事業。国の予算でい
ずみ町から各島へ分配されるものをもらえばよかったけど、今はお金がない。血管が詰まっちゃっ
て。動脈産業と静脈産業があって、動脈産業というのは上からお金をもらうということで、静脈産
業は現場から問題提起をしてお金をもらうということ。循環型社会をつくろう。仕事がない。島の伝
統産物を商品化して東京に売り込む。食の文化祭。東京仕事百貨に求人を載せた。1 回の記事
掲載で20 万らしい、1人の枠に39 人が応募。移住者の募集も、30何名の応募があり、2家族を
受け入れ。2年の生活を保障する。今日から宝島に移住し、自己責任で2 年のビジネスをつくりあ
げてもらう。単身だと月給18 万、2人で25 万。10万あればいい生活ができる。大きな牧場がある
ので、音楽と食文化のイベントをやろうと構想中。音楽でつながるということは大事。
(学生)外国人は多いですか?
(日高代表)いないね。食の文化祭では韓国人とか来たけど、どうやって外人を呼び込むかとか話
したよ。人の受け皿をつくるために動き始めてる。Iターン者のマイスター制度。漁業なら漁民に世
話になって自立につなげる。
(学生)村、島同士の連携はありますか。
(日高代表)音楽、伝統芸能の継承、文化の継承は大事。宝島に移り住む家族もアートを通じてお
年寄りが集まって島の将来について語れる場所をつくりたい。アートの島にしたい、と言っている。
宝島は江戸時代、英国の船が来て嵐で停泊した。島の牛を分けてほしいと言ったらだめだと島民
が言うので英国人はぶんどりに行った。それを聞いた役人はイギリス人を1 人殺してしまい、大事
件になり、そこから鎖国になったと言われている。完成型の地域振興ではなく、若い感性でいろん
な可能性を考えるといい。
(山地)口永良部島だけじゃなくて、十島、三島など他の島、人の視点からも考えてほしい。
参27
【8月25日:鹿児島市内で活動するTenbizでの出陣式】
※Tenbizとは、鹿児島の持続可能性を考えるために天文館のビジネスマンが集まり、ゲス
トを呼んで集会などを開いている団体のこと。
(司会)なぜ口永良部島で生活を始めたのか?
(山地)どんな生活をしているのか気になり、ヨットマンに仕事を教えられた。そんな中で、農業や
漁業の魅力を感じ、1週間仕事を行い島の魅力に取り付かれた。
(司会)学生を口永良部島に呼ぶ最大の理由は?
(山地)個々人が意識をしっかりと持つことを前提として、島での体験が学生に対して大きな影響
を与えると考えているから。
(司会)ヤマチさんの話を聞いてどう思いましたか?
(学生)純粋にどう行った場所なのかを知りたいという気持ちが最初にあった。
(学生)コンゴのプロジェクトに参画しているのに、コンゴに行かなかった理由は自分に貢献が出来
ると思わなかったから。わからなくてもやってみるということに機会を与えられた。
(学生)知らなかったからこそ活かせる可能性があるんじゃないか?新しい観光という方向。観光
地としての新たな可能性を感じた。
(司会)話を聞いてすぐにやろうと思った?
(学生)全然思わなかった。ただ、学生で出来るところが・・・。
(司会)口永良部島を盛り上げるためにはどんな切り口がいい?
(山地)今、農業をやっていて厳しい環境ではあるが、学生が一緒に農業をやってくれるのではな
いかという期待感。もう少し農業をしっかりしたいという思いがある。一方で、彼らのやりたいことを
実現することがこのプロジェクトを通して出来ると思うと共に、彼らに島の価値をしっかりと提供す
ることで、大きな学びが期待できると考えている。また、彼らの先生は自分ではなく、島民である。
①農業パートナーを探す、②若い世代と一緒に挑戦したい、③若い世代への学びの場。
(司会)農業をやっていて一番困っていることは?
(山地)農業を成り立たせるために多くの時間がかかり、ハードルが高い現状がある。
(司会)今の不安要素は?
(学生)島の人たちとの相互のコミュニケーションが採れるかどうか。
(学生)本気で島に雇用や仕事をと考えると、可能な限りやってはみたいがそういった知識が余り
にも少ないため不安。
(学生)屋久島に来ている外国人を呼びたいが、どのように情報発信していけばいいかということ
や期間が短いため成果が果たして出るかといったことが不安。
(司会)ではこれからトークセッションについて行っていきたいと思います。テーマを以下の3 つから
選んでください。①島の人とどれくらいコミュニケーションが取れるか、②学生だから出来ること、
③観光として口永良部島に人を呼ぶために出来ること、グループディスカッションへ。
参28
【8月25日:鹿児島~屋久島での船上会議】
(山地)島なび学生隊ってなんだ?島を知り、学び、伝える、発信する。自分が考えてるプロジェク
トは不十分。そこについていくんじゃなくて、自分の活動に共感してくれて、その中で自分で考えて
動いてほしい。だめだと思えばそれを言ってほしいし、12人の事業。リーダーを中心として12人で
やりたいことをやる。12人がどこで何をしてるかがわからないのが一番怖い。リーダーが把握して
ないことが怖い。もう一度その動きを確認してほしい。不満はあると思うけど 自分も満足してない
けど、必要だと思えば言ってほしくて、考えようと思ってる。時間を守ってね、5分前行動、遅れる場
合は連絡、報告連絡相談、遠慮なく言ってほしい。なるべく早く、誰にでも良いから。1人で抱えて
あとでトラブルになるというのは避けたい。
(山地)チームの役割は決めたけど、実際に何をやるかってとこが不明確。誰が何をやるのか確
認する、学生隊のルールをつくってほしい。これができてないと自分がやってといったことしかでき
ない組織になってしまう。それができていないと個別に応じて動くこともできない。
(福本)事務連絡。メンバーの連絡先、名簿ができました。誓約書、傷害保険の中で対応させてく
ださいという内容にサインをお願いします。復路のルートの最終確認をしたい。
(リーダー)島内での連絡手段。何か起こった時、直接山地さん他の人に連絡できるよう連絡先を
メモってね。みんなが運転できるのは軽の箱バンだけ。基本20キロで走る。鹿をよけようとしてスリ
ップしたりする。
(学生)島に仕事をつくりたい、というのは間違いない目標。これを軸にして考えてほしい。けっこう
いろいろあって疲れもあって空気が重くなってるけど、せっかく集まったのでいいものを残したい
心遣いで楽しくやりましょう。
参29
資料12.口永良部島に関する情報
【島内の交通】
○公共交通機関
島内の公共交通機関はなく、自家用車か原付が主な移動手段である。島内行政区である本村区
と湯向区は約15km離れている。
○公共交通機関以外の移動手段
レンタカーがガソリンスタンドに1 台ある。湯向・田代地区の民宿からは港までの送迎サービスが
ある。
○道路状況
本村~湯向線(旧道)に平成6 年に一周林道が開通、平成16 年にコンクリート舗装が完了した。
道は琉球竹が生い茂り、細く曲がりくねっているため車の走行速度は40km が限界である。
参30
【情報通信の現況】
○携帯電話
Docomo のFOMA 通話サービスが利用できる。
○インターネット
ISDN回線かDocomo のFOMA通信サービスが利用できる。
○オフトーク(島内放送)
役場・公民館に放送版が設置されている。家庭にオフトーク受信機器を設置すると、島内放送が
入る。
※湯向区では平成23 年2 月現在、平成23 年4 月末をめどにDocomo 電波塔の設置を検討して
いる。
参31
【産業の現況】
(平成17年国勢調査)
第一次 9人 第二次 9人 第三次 44人
○農業
経営耕地面積330a 耕作放棄地面積460a
・畜産農家 9件(平成22年度)
島の自然を生かした鹿児島県の黒毛和牛の周年放牧・子牛繁殖が主である。
・口永良部島活性事業組合(組合員15 人)
屋久島のブランド焼酎「三岳」の原料になる甘藷(さつまいも)の生産を中心に活動している。
○漁業
漁獲量1111kg (金額1674千円)
伊勢海老は口永良部島での重要な換金特
産物であり、屋久島の市場や漁師の個人的
なルートを使って島外に出荷される。漁解禁
時期(冬季)宴会には伊勢海老料理が提供さ
れることも多い。鹿児島県内有数の好漁場で
ミーバイやブダイの他、夜光貝やカメノテ、タ
カラガイや薬膳に使用されるエラブウミヘビ
なども島の近辺でとることができる。
○林業
民有林2662ha (うち人工林312ha)
天然の椎の木が森になっているところもあり、かつては天然木椎の木での椎茸栽培がおこなわれ
ていた。・5月から6 月にかけて琉球竹の竹の子が生え、簡単に採取できるうえに孟宗竹の竹の
子よりもアクがなく美味しい。
参32
【観光・商業】
※主要データなし
○商業
・農協(Aコープ)と ・酒屋(商店)、自販機が2台ある。
○観光
・民宿
島内に数軒あり、伊勢海老漁解禁の冬季には海老が食卓に並ぶ場合もある。
○観光資源
良質な硫黄泉や炭酸泉が湧いており、皮膚疾病や神経痛に良いといわれている。今も噴煙をあ
げる新岳は登山が可能である。※事故を防ぐため、役場で出される火山情報に注意し、口永良部
島ガイド協会などに状況を問い合わせたりガイドにつけたうえほうが無難である。
参33
【生活環境】
○ごみ処理
燃やせるごみ・燃やせないごみについては島内での収拾後、運送会社により屋久島に搬送して処
理している。
○し尿処理
定期的にバキュームカーが収集し、その後屋久島の施設で処理をする。浄化槽がある施設が役
場と学校だけである。
○産業廃棄物
島内に処理施設はなく、島外に持っていかないと処理ができない。
○水道
簡易水道を使用し、豊富な山水を活用している。
○公営住宅
持ち家のほか、赴任した公務員用の住宅がある。民営の貸し家はなく、公営で平成9 年度に建て
た木造の定住促進住宅が2軒ある。
○電気
重油を使用した内燃力発電所が2ユニットあり、400kwの発電容量がある。
○公園
金峯神社の付近は見晴らしも良いように整備がされており、島内には藤の花見が出来るスポット
がある。
参34
【保健・福祉・医療】
○医療
口永良部へき地診療所があり、医師1 名、看護師1 名が常駐している。鹿児島大学歯学部の離
島巡回診療により、歯科検診が半年に一度実施されている。
○緊急医療
急病やけが人が出た場合、チャーター船か鹿屋自衛隊からヘリポートが派遣され、鹿児島本土の
病院へ搬送される。ヘリコプターは要請から30 分程度で島につく。要請件数は2 年で1 度程度。
○産科医療
島内に産科設備はなく、妊娠期間が7 カ月を過ぎると町営フェリー太陽への乗船は医師または看
護師の認可が必要となる。現時点での屋久島町の補助事業として、1回の出産で約5万円の出産
費用補助がおりる。
○高齢者福祉
介護保険利用者数7人(訪問介護・福祉用具レンタル・ショートステイ)
社会福祉協議会と島内ボランティアによる介護教室が月に1回程度行われている。デイサービ
スで民宿で調理した弁当の宅配サービスがある。
参35
【教育】
○小中学校
町立の小学校と中学校が同じ敷地内にある。生徒数が少ないため、複式学級である。
(平成22 年11 月現在)
小学生 12名
中学生 1名
○幼児教育
保育園・幼稚園等はなく、町からの委託で本村区が幼児学級を本村公民館で運営している。
幼児学級 4名
○山村留学制度
南海ひょうたん島留学を実施しており、年に数名程度の受入れがある。独自の活動で遠足での火
山登山や海洋研修などがある。(南海ひょうたん島留学パンフレット参考)
○社会教育
図書館の巡回車が年に1~2 回巡回する。
参36
